赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

朝鮮半島と台湾海峡

2023-10-23 00:00:00 | 政治見解



朝鮮半島と台湾海峡 :231023情報


ハマスによるイスラエルへの大規模テロ以前に、東アジアもきな臭くなっていました。具体的にどういうことなのか、国際政治学者に解説をお願いしました。


昨今のロシア、チャイナ、北朝鮮の動きを見ていました。日本のテレビニュースでもやっていましたが、北朝鮮の金正恩が9月13日にロシア極東のボストーチヌイという宇宙基地に行って、ここでロシアのプーチン大統領と会っていました。

そして、プーチンは北朝鮮の宇宙開発やロケット開発にも力を貸すと言っているのです。さらに兵器取引についても協議すると認めています。

北朝鮮の兵器は性能が良くないですから、ロシアとしてもどうなのかなとは思いますけれども、そういう話し合いをしているということです。宇宙開発やロケット開発と言っていますけど、要はミサイルのことを指しています。あるいは宇宙衛星の打ち上げロケットは北朝鮮が失敗していますから、それについて協力するということを言っていました。


それから米中の話ですが、9月16日から17日の2日間にわたり、地中海のマルタ島でサリバン・アメリカ大統領補佐官とチャイナの王毅外相が長時間の会談をやっています。マルタ島というのはソ連のゴルバチョフとアメリカのブッシュ大統領が会って米ソ冷戦終結を宣言したところです。

おそらく、11月にサンフランシスコで行なわれるアジア太平洋経済協力会議APEC首脳会談があるのですが、ここに習近平が出席するのか欠席するのか、または米中首脳会談の実行の有無として、やるならどのようにやるのかということを自主的に話し合ったとされています。会談は平行線に終わったということで、お互いに言いたいこと言っただけのようです。

それがわかるのは9月18日にチャイナが103機の軍用機を飛ばして、台湾を威嚇脅迫しています。軍艦も9隻も出していました。台湾海峡の中央にある中間線を40回も越えて台湾側に進入したということです。チャイナ側とすればアメリカ側がマルタ島の会談で言ったことが気に食わないというので、即座にそういう行動をとったのではないでしょうか。

それから9月18日から21日に王毅はモスクワに行って、中露の話し合いやっています。第18回中露戦略安全対話に参加したということです。

私が見るところで、北朝鮮、チャイナ、ロシアは今までも協力関係にあったけど、今度は反米を軸としてしっかりとした協力関係を作り、具体的な戦術的な共同行動をとるような準備をしようということなのかもしれません。気になってくる点として、チャイナが台湾に侵略するときには米軍の力を分散させるため北朝鮮の韓国侵略行動をやらせるようなことは考えられます。

あるいは、チャイナが本格的に台湾を攻撃するときには、一種の陽動作戦で北朝鮮に南を侵略するという動きをとらせて米軍の力をそっちに集中させたときに台湾をチャイナが攻撃するということも考えられるでしょう。

いずれにせよ、台湾海峡危機、あるいは台湾国の危機は単独では起きません。台湾で危機が起きるときは必ず朝鮮半島も動くということを考えなければならないのです。

日本とアメリカの軍事指導者は朝鮮半島と台湾海峡の同時危機の発生というシナリオを前提にして、様々な行動計画を考えなければいけません。この二つの危機が単独で起きることはあり得ないです。

仮に北朝鮮の方が主力で南を攻めることがあっても、そのときには必ずそれを助けるためにチャイナが台湾や沖縄に対して軍事行動を起こすような動きを見せるでしょう。そういうものに対する危機管理案をアメリカと日本はよく考えておいてください。それが2大同時危機発生の危険性があるというか、常に戦略的にもそれを考えておかなければいけません。




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