身を守るということ :230912情報
かつてイザヤ・ベンダサン(山本七平)氏は、『日本人とユダヤ人』の中で、「日本人は、水と安全はタダだと思っている」と述べていました。1970年の出版ですからもう53年も経ちます。高いコストをかけて保険に入るユダヤ人と安全と水は無料が当たり前と考える日本人の対比が際立ってベストセラーとなりました。
ところが、この"神話"は、現代日本では既に崩れ去っているように見えます。以前考えられもしなかった凶悪犯罪が激増しているからです。
極端に言えば、「人を見たら泥棒と思え」という諺の「泥棒」を、「犯罪者」に置き換えなければならないのかと思うほど、他人を軽々しく信用しないでいったんは疑ってかからなければならないのかもしれません。
あるメルマガで「何度かテロに巻き込まれた」という経歴を持つ方が、「もし、事件やテロに巻き込まれてしまったら、助かるすべはあるのだろうか」という文を寄稿しているのを見て、大変面白かったので、許可を頂いて転載させていただくことにしました。
テロと護身術
サンフランシスコ空港より
飛行機に乗る度に思うことがある。本当に、この飛行機で大丈夫なのかと。私は、かなりの心配性なのだ。というのも、テロに何度か巻き込まれたことがあるので、身を守れるように常に用心をしている。
武器の帯品
しかし、私の運動神経では、護身術や武器の携帯は逆効果。だから、外出するときは、カギと一緒にホイッスル(緊急用の笛)を持参している。訓練をしていないと、事件に巻き込まれたとき、人はとっさに大きな声を出すことができないものだ。警戒や危険を知らせるために、笛を吹くことが効果的である。
群衆がパニックに陥ったとき、笛を吹いてから指示を出すと、うまく誘導することもできる。
地震が起きて、部屋に閉じ込まれてしまい、助けを呼ぶときも人間の声では限界がある。1時間も大声を出していたら、喉が枯れてしまう。地震ではないにしても、アメリカのエレベーターはよく停まるのだ。そんなとき、手元にホイッスルがあると心強い。
護身術
私の体力では、護身術は無理だと思っていたが、先日、スタンフォードで無料の護身術のクラスが開かれた。講師は、イスラエル出身の元警察官で爆発物処理班の精鋭。常に戦争が間近にあるイスラエル出身の警察官だけあって、性悪説にもとづいている。
身を護り、すぐ危険な場所から離れ、逃げるための実践的な訓練。強盗にあったとき、攻撃と防御を同時にして、難を逃れるにはどうすべきか。
リスクマネジメントに基づいた行動をたたき込まれ、被害者にならない対策を心がける。
あたり前のことだが、はじめての場所にきたら、避難経路や火災報知器などの場所を常に確認。事件が起きた際に、逃げるルートを確保しておく。怪しい人物がいたら、相手の目を見て、弱々しい態度をとらない。スリや強盗の心理からすれば、弱そうな相手をターゲットに選ぶ。
エレベーターや電車やバスでの乗車位置にも気をつける。
窓側の席ではなく、通路側にすわる。もし、窓側に座っていて、囲まれてしまったら、逃げられなくなってしまう。窓を破って逃げるのは至難の業。だから、常に入口に近いところに陣取る。
最後に、当然のことだが、危険な場所には近づかない。「群衆に交わらず雑踏に混せず」。これが大前提。
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