今でをはあまりみかけない?4×5カメラには箱型(リンフォフタイプ)とレール式に二分される。
私は建築でも何でもレール型のカメラを使っていた。レールタイプにはLj字型と両方支柱方があったが、
ジナー等一貫して片側支持のものを使っていた。これに慣れてしまうと両方支柱タイプは不便で使う気になれない
のだ。基本構造は単純でレンズをつける前枠とピンとグラスがある後ろ枠それを支える円柱のパイプがあるだけ。
前と後ろを繋ぐのは蛇腹と呼ばれる四角い黒い紙の様なものだけである。
建築写真の時は広角レンズを使うことが多く、そうすると標準蛇腹ではピントがこないために、広角蛇腹という袋の
ようなものを使う。一方で商品撮影といっても色々あるが、アクセサリー類は接写となるので、長尺蛇腹をつける
のである。そういうのをワンタッチで交換できるのと、レンズもシノゴならリンホブボードにつけておけば、
メーカーを問わずに使えるのである。いわゆるマウントがないのである意味経済的でもある。
建築写真の醍醐味は、同じフィルムに何度も露光して撮影ができることだと想うのだ。絞りはf32と決めておくと
露光の時間が決まる。窓の外の景色をはっきりと映したいときは、これは一番露光が少なくて良い。ただし、
それだけを映せばそれは屋内の部屋は真っ暗になる。その為に、いろんな場所にストロボを配置するのだが
そうすると概ね窓際の壁が明るくはなるが、自然な日当たりというイメージが消えてしまう。
ガラス戸越しの露光を1回で住む時にはわざとそれを3回に分けて行い、その間にタングステンつまり電球光が
あたる部分には色温度補正フィルターをいれて、照明が照らし出す部分だけを露光、さらに蛍光灯も同じで
それぞれフィルターをかけて、蛍光灯ならばその時だけ蛍光灯をつけて露光する。
こうやって、全体のウェイトを計算して露光を繰り返すのである。f32で30秒だとすると、30秒の間にウエイトで
割った各部分の露光をしていくのである。
外観はドピーカンのど順光で映している人もいるが、私も必要に応じてそういう条件でPLフィルターをかけて
写す事もあった。それはクライアントによりけりでもあるが、新しい工法の家等を写す時、箱型ユニックを
使うことを初めて行なったのは自分であるという自負がある。こうする事で、2階のベランダ等や太陽光発電の
部分が目立つようにできた。もちろんこのカットだけではないが、この撮影位置というのを後から随分とパクラレた。
こういうときや、仕掛けが大きい時は道路使用占有許可なんていうのをもらっており、商業ビルなどでは、
テナントが入っている時は事情を説明して、ワンフロアの電気を落としたりつけたりしてもらう事もした。
新しい街を造成して売りに出す時などの撮影は撮りたいアングルのし放題なので楽しかった。
ただこういう時はアシスタント君が足りないのでアシスタント君の友達10名くらいを使ったりもした。
建築写真は今最悪ではないかと密かに想うのはわたしだけかな?