9.11テロの後にアメリカの大統領が「テロ都の闘い」を宣言した時に、これは未曾有の長期戦、
つまり出口を塞いでしまったことになると危惧を覚えた。
例えば1000人の中から一人を探しだすようなものであり、仮に事前の情報があっても、
テロを実行する直前まで 身柄を拘束することはできないからだ。確率から言えば100人よりも多い市井の
市民を装っているのだから、未遂という事(つまり事前に防止すること)が難しいというか
ほとんど不可能なことであるのは容易に推察できると思う。
さらにいえば政治・宗教・思想犯は、普段はそのことをお首にも出さないのだから、
絶対的にテロリストが優位になるという現実もある。
こうした人物を特定できたとしても 常時監視することは物理的に困難であるし、
なにかしらの企みを見抜く事は容易ではない。
日本に於いても 地下鉄サリン事件がおきてから「オウム真理教」という宗教団体の過激な思想
が明らかになった経緯がある。松本サリン事件については 戦後最大の大誤認をしたわけで、あ
りえなさそうな事は想像力の範囲外で起きることが多いともいえる。
ところで、今回のフランスのテロは 本当にISの指示でうごいたのかどうか?個々に疑問を感じ
る人は少ないようだが、こういうテロを起こせば更に 空爆が激しくなることも容易に想像できた
はずなので、自らの首を締めることになることぐらいはわかっているはずだ。
もしかしたら、ISの影響は受けたかもしれないが、実行犯たちだけの犯行であり
とりあえずISが相乗りしただけではないのかと考えてしまうのだ。
報復攻撃も必要なのかもしれないが、空爆に依存せずに地上戦で駆逐するしか
方法はないのではないか?と思う。しかし、これも銃を構えているとは限らないので
選別が難しいといえる。負の連鎖はどこかで止めなければならないと思うが
確答が全く見いだせないのが実情であろう。