美優その２

一年があっという間に過ぎた。かわいそうだけれど去勢を３ヶ月目に行い、ワクチンその他を済ませた。未熟児のせいなのか体重は４ｋｇ以上にはならなかった。それでも女の子なのに筋肉質で、自宅のリビングの２１０×１５０ｃｍの引き戸一枚に両手をかけて開けるのは朝飯前だった。
いろいろと教えたことがある。
1、窓から外に出ないようにサッシを境に外に体を出して危ない、怖いと言って聞かせていた。だから、窓を開けていてもぎりぎりの所に座っているようになった。だから外の地面などの感触を生涯知らなかった。
２、爪は最から膝に乗せて切っていた。そういう習慣を付けたので爪きりの時は爪を切るぞと言って膝にお腹を見せるようにして一本づつ切っていた。
動物にとってはお腹を見せることは信頼の証である で、爪を切り終わると、さっと爪とぎに向かって感触を確かめるのだった。
３犬の餌より猫の餌の方がカロリーが高いので机の上と下でそれぞれの餌を食べるようにしていたのだが、餌を食べ終わるのが早いなながいつも机の下で待っているので、美優は自分の餌を片手でさささと机を滑らせて落としななに分けてあげるようになった。
犬として育てたので、お手お代わり、ボール投げ等はお手のものだった。
車の中でたばこを吸うと煙たくて嫌がり、パンとたばこの先を猫パンチで落とす。動物は嗅覚に優れているので相当煙たかったようだ。ただ、運転中に猫パンチで火のついた部分を飛ばしてしまうためその行方がわからず大騒ぎ、結局あちこちに焦げ目が付いてしまった。 犬派だったが猫は、散歩をしなくても良いし楚々は絶対にしないので飼ってみれば可愛いものである。
空の袋やビニールへの突入や定番の猫じゃらしを追いかける、鏡で太陽の光を反射させると部屋中駆け回る、空箱があればすぐに入る、家猫の子猫は皆することだと思うが面白いものだ 子供の頃からなぜかニコンのカメラバックが好きで結局は美優の専属バックになったが、体が大きくなっても器用に丸まって入っていた。しっぽがはみ出すので出てるよと握ると猫パンチが飛んできた。
その速さは避けられない程だから思った。
成る程ね、猫だなと。