美優賢くてお茶目

まだ書いていないななちゃんという犬ー愛護センターからもらってきたーと仲が良く美優がまだ１ｋｇの時思いっきり飛びついても、せいぜいななの足ぐらいだったか、美優にとっては恰好の遊び相手で、美優にたいしては手加減をちゃんとしていた。その様子が何とも面白く可愛かった。
そんな時にななが散歩中にタクシーにひかれてしまった。ちゃんとルールを守っていたのに、母が夜散歩をしていて、母には気がついたが一緒にいたななには気が付かなかったらしい。 良心的？なタクシーの運転手が病院に搬送し左大腿部の骨がはずれる怪我を、治療して送り届けてくれたが何カ所も縫う怪我となり私が徹夜で寄り添って様子を見ることにした。
美優は異変に気が付いたようで、しきりと傷口をなめてあげていた。
動物の本能なのだろう。ただ、もう寝ていろと大好きなニコンのバックに入れてもすぐに起きてきてしきりと舐めていたが、深夜になると眠たくなったのか、それともぐったりしているななの様子が気になるのか時々かぷっっ！と噛みつくのでその度になながキャンと悲鳴を上げるのだった。 結局一晩一睡もせずに起きていた。
ただその後安心したのか昼間は爆睡していたが、よほど人間より情が厚いものだと感心した。
ななが歩けるようになるまでタクシーの運転手が通院させてくれた。
　後ろ足は包帯で固定しているのでケンケン足になっていたが、美優は包帯が気になるのかそこに狙いを定めて、ダッシュして飛びつくのでその度にななはキャン！と悲鳴を上げる始末でこらっ！駄目といっても言うことを聞かないので、しつけのルールとして、やってはいけないことを言っても解らないときは、お尻を叩くか頭を叩くようにしていたので、何度か叩いたりしてやっと、してはいけないことだと美優は理解したようだ。もっとも、私達人間がいるところではしなくなったが、別の部屋で時折キャンッと鳴くななの声が聞こえてきた。
「こらぁぁ美優」と言いながらその部屋に行くと、自分のマイバックに隠れて蓋の隙間からそうっと様子を窺っているのが見えた。 美優はなぜだか黒いものが気になるらしくて、電話でも何でもいつもないものがあるときには必ず叩いてみる変な癖があった。
スタジオの中はというより写真の機材は殆どが黒なので、通り道にカメラがあると行きも帰りも必ず立ち止まって片手でパンパンと叩いてみるのだった。
どうしてそうなのかはわかずじまいだったが、真っ白だったから黒が気になるのか？？もしれない。
つづく