高橋治の初監督作品「彼女だけが知っている」が清拭にデジタルリマスターされ上映されたそうだ。
彼女だけが知っている以上私が知る由もない。などと書くと怒られるかもしれないが、小津安二郎の助監督として映画の世界から
作家になった事を考えれば、「絢爛たる影絵 高橋治著」 なるほどと思った。
そもそも、氏のお歳から逆算すれば 戦後の時期に東大の文学部を卒業されていることもある意味異才である。
それにしても、これだけ何事にも非凡な才能を発揮されていたのに、直木賞受賞の年齢が56歳、しかも選考委員には、
井上ひさし(直木賞作家、劇作家)など ひとまわり年下の(しかし文壇に於いては圧倒的知名度の違いがあった)の選考という
厳しい現実もあったのかもしれない。
しかし、改めて調べてみれば 泉鏡花文学賞 柴田錬三郎賞 吉川英治文学賞等を受賞しているように、
花火のたまが弾けるように、受賞後は大輪の華を幾つも怒涛の勢いで打ち上げ続けたのである。
なんだかもったいぶって書いたが、直木賞受賞から数年後だったか、お宅に呼ばれて、しかし取り留めのない会話の中で
「直木賞より芥川賞貰えば良かったのに」なんて勝手なことを言っていた。全てにおいて博学であったが、唯一苦手なのは
電気関係で、社債のスピーカーが壊れているようだけど見てくれないか?と言われた時は単なる接続不良であった。
先生それにしても、いくら何でも、このステレオセット年代物で安物です、やっぱり書斎の写真とかを移す機会があると
思うので、マッキントッシュのアンプにしませんか?それかボーズのものnと進言したのだが、電気系に弱いので結局そのままとなって
しまった。
ライフワークのはずの−−派兵は未完のままとなつてしまった 今日で7日・・・なのかぁ