ニコンのF3HP+MD4とF3P(報道用)は、駆け出しの頃から使っていて、大きな仕事をこなした
カメラである。F3は有名なデザイナージウジアーロデザインだということを知る人は少ないだろうね
F3は実はマニュアル機だと勘違いしている人が多いのだが、電池が切れるとシャッターがきれない
だから緊急シャッターなるものがついていた。それに、専用のストロボを付ける場合
なんと巻き戻しノブがホットシューになっていたこと、この2つと、絞りを夜間に見るときに絞りの部分を
照らすライトがついていたが、こんなん誰も使わない機能ですねん。
F3Pは軍艦部にホットシューが付いていたように、ストロボを使う人達には致命的な設計不良といっても
良いと思う。実は、このニコンF3だけは処分せずにとってあるのだ。
全部軍艦部が凹んだり、巻上げ部分が擦れて、塗装が剥げている。それほどにたくさんの撮影をしたし
世界で初めての撮影等もこの機械が担当したのだ。
MD4というのはモータードライブの事で、約30年前に1秒で5コマという速度をだしていた。
そのせいで単3電池8本が必要となったのだが、個人的には重心が下がるので安定するような気がした。
さらに300mmF2.8等に始まる大口径望遠レンズ等をつけると、とてもバランスが良いのだった。
ほとんどの人が知らないだろうなぁと思うところでは、ボディの上にフィルム面の位置を示すラインが
ついていた。フランジバックを正確に知ることができるので、接写の時等は重宝したものである。
一時期はかなりの頻度で使っていたので、いつの間にかレンズを取り付ける部分のネジが緩んで
しまったことがあった。幸い仕事には影響は出なかったが、このマウントって緩むんですねぇ~
緩まないようにしてくださいと言ったら、報道機材課の人は驚いていた。
このカメラがあったから、魚眼を除いて全部の焦点距離のレンズでF値が明るいものを買い揃えた
35mmのF1.4だったか?広角でぼかすという事が楽しめたが、明るいレンズは鏡筒が太くなる
ただマウント部分では同じ口径にする関係で、絞りが偉く使いにくいものもあった。
ただ、ピントの山をつかみ易いので、今のデジカメでも可能ならばなるべくF値が明るい(数字が小さい)
ものを買えばとりあえずは一生ものですよ。