『ざわつく日本美術』 サントリー美術館 ※8月29日(日)まで
毎年、サントリー美術館の盛夏期間の展覧会は遊び心満載の企画で楽しんでいる。
今回は数か月前から今回の展覧会のチラシを見ただけでタイトルと怪しげな(?)な人物像に
心が“ざわざわ”していた。
だって、なんか違和感なんどもん。
尾上菊五郎さん。明治8年に世に出された作品。
浮世絵? 水彩画? リアルなんだけど、日本画のような洋画のような、不思議さ。
(当時の反応も芳しくなかったそうな)
あれ~と思いつつ、「うらうらする」を集めたコーナー。
光悦の赤楽茶碗「熟柿」もここだった。
確かに、裏てゆーか高台側が鏡を通して眺めると別の魅力があるような気がした。
能面といえば、「表」しか目にする機会がないけれど、360度の展示ケースで裏側も観ることができた。
ちょっと変わったところでは「東こぎん」という刺し子の着物。
津軽地方で江戸時代から続くものだそうで、保温と補強のために麻布に木綿の糸に刺し子を施したのだそうな。
細かく凝った文様で、表からみても裏からみても美しい。
実用と芸術性を兼ね備えた伝統工芸。
次は「ちょきちょき」する。
もともとは裏と表に描かれた屏風を分けたもの。
佐竹本の三十六歌仙図もここ。(確かに、36枚+αにチョキチョキと分断された)
泰西王侯騎馬図屏風、サントリー美術館所蔵だからよく見かけるのは当然として、
「地元の神戸市立博物館にも似たようなのがあるよなぁ」と以前から思っていた。
もともと、一つの屏風だったのが分断されて、それが今では別々の施設の所蔵となったのねぇ。
次は「じろじろする」
うーーん。よくわからん。
そして、3階に降りて「ばらばらする」。
水注の身と蓋、硯箱の身と蓋などを背中合わせに展示し、
片方だけ見て、ぐるっと反対側へ回って、「おぉ。これとセットになるのね」と思う。
その趣向をわかってかわからいでか、おじさんが片方だけ見て次のケースに移動するのを見て、
思わず「えっ!」と声をあげそうになっちゃった。
おじさん、何を見に来てるの?
そして「はこはこする」。
本体と本体を収める付属物(おもに箱)がかなり離れた場所で展示され、
それらを床に引かれた線が結んでいる。
あっち行ったり、こっちに戻ったりしながら楽しんだ。
最後は「ざわざわする」。
放屁合戦絵巻。改めて思う。「鳥獣戯画の丁巻をモデルにした?」
他もちょっと「ん? へん?」と感じるもの。
(この辺りは結構疲れちゃって、放屁合戦以外はほとんど印象に残っていない。
今回は時間潰しに寄ったので、後期にもう1回行こう。(年間パスあるし)
ちなみに、後期は8月11日(水)から。
同じ東京ミッドタウンで『北斎づくし』(7.22-9.17)も開催されるし、併せて訪れたい。
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