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★大西清右衛門美術館 サイト
春季企画展「茶の湯釜の美」 →6月21日(日)まで?
展示案内によると、延長する場合もあるようなので、現時点で開いているかどうかは不明。
小さな美術館にとって、今回の臨時休館の事態は相当負担が大きかったようだ。
展覧会のポスターもなく、チラシもなく、そして展示リストもなく。
なので、館内では手持ちの紙に鉛筆でせっせと展示物の名称を書き写しながらの鑑賞となった。
正面左の独立ケースは当代(16代)作の富士形覆垂釜。通称「鈴与釜」。
その名の通り施主さんは鈴与の社長さん?らしい。(納品したものをお借りしたのだろう)
静岡に拠点をおく会社だから、形は富士山。正面には三保ノ松原が描かれ(=鋳込まれ)、裏正面は鈴与の屋号(昔のマーク)
とてもおリジナリティあふれる面白い茶釜。
天明の提灯釜、芦屋の山ニ鹿帆掛舟地紋真形釜。いずれも室町時代の作? 古い。
鉄やつれ風炉。(大きい!)
芦屋の夕顔地文真形釜。正面にくっきり夕顔が鋳込まれている。
二代浄清の山水ニ松竹柳地文唐銅火舎形風炉。上に三代浄玄による透木釜。(環付は遠山、釜直径が一尺=30cm)
初代と二代と三代は兄弟で、中でも二代浄清の天才ぶりはすごいが、その陰で三代浄玄もいい釜を遺している。
この風炉釜、たぶん初見。兄弟のコラボだけあって、バランスがぴったり。
寛永のきれいさびの極致をいったようなユニークにして優美な形の風炉を土星のような茶釜が寄り添っている~という印象。
辻与次郎の霰覆垂釜。由緒正しい!という感じの霰の打ち方が見事。
京釜 13代浄長の茄子形手取釜。
浄清の織部筋釜。
芦屋の千鳥地文車軸釜。環付は松ぼっくり。縦長の牧場で見かける牛乳を貯めておく容器を小さくしたような形。
波ニ網干地文肩付胴〆釜。環付は小槌。
辻与次郎の広口釜。
10代浄雪の二口釜。(お湯を沸かしながら、もう一つでお酒の燗がつけられる)
後半の独立ケースは浄清が30~40代(寛永年間)に手がけたとされる末廣釜。ペルシャの壺?みたいな形。環付は蕨(わらび)?
エレベーターで7階の茶室に上がる。他の道具は忘れたが炉の設えで6代浄元の吊り釜がかかっていた。
「空間が3月のままで止まっている」と思った。
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