Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

交趾(コーチ)

2012年07月02日 00時00分36秒 | 講座・講演・研究会
すごぉーーーく久しぶりに明治記念館へ。

○交会の所属支部の総会に出席。
ちなみに昨日は仏滅。
日曜日とはいえ、こういう時は挙式がほとんど入らないためか、会場費がお安いようで

総会への出席もここ3年ほどは都合がつかなくて、実に2008年以来

今回はたまたま5月末の時点で確実に都合がつくことがわかっていたのと、
講演会の講師が交趾焼の中村翠嵐さんだったから

京焼の中でも派手で華麗な交趾焼。以前はどちらかといえば苦手だった。
研修で一緒だった友人が「翠嵐さんの蓋置を買ってね~」と言ってたことがあって、
その時は「スイランって?」だったので
それからはお茶会や百貨店の個展など機会に恵まれた時は見るようにしていた。

まずは京焼の歴史から。
瀬戸などの六古窯をはじめ日本各地にある窯元はまず“土”つまり“材料ありき”。
でも、京都はそうではない。
代わりに技術力を持った陶工が集まってきて作るのが大きな特徴。

 言われてみれば、なるほど。
16世紀(1500年代)に釉薬をかけて焼くようになり、仁清・乾山へと至る過程も興味深い。

次に「交趾」の呼び名の由来。
もとは南ベトナムを指すらしい。(安南とはまた別なのか?)
でも、産地はそこじゃなくて中国の福建省だという。
これが鎖国時代になって、長崎での交易で日本に入ってきたらしい。
産地の一つとされる田抗窯(デンコウガマ)からは寛永通宝も出土したのだそうだ。

茶道文化検定のテキストにはそこまでは書いてないので、「へぇ」と思った。

面白かったのは型物香合で“東の大関”に番付されている大亀交趾香合のお値段。
藤田美術館で何度か見たことがあるけど、いくらはなんて考えたことがなかった

明治~大正時代、危篤の藤田傳三郎が競り落とさせた金額は当時の金額で9万円。
現在の価格にすると30億円になるという。
その根拠の説明が実にわかりやすかった。

そして、交趾の技術について。
永楽保全が取り入れた一陳盛り(いっちんもり)という技法にも感心した。
という筒状の袋に口金をつけ、泥で紋様を描くという。
つまり、スポンジケーキの上に生クリームでデコレーションするのと同じ。

もとは一陳斎という江戸時代前期に加賀の画家が編み出した技法なのだそうで、
一陳斎は加賀友禅も手がけていたという。

あ、なるほど

以前、江戸友禅(東京手描友禅)の作家さんのお話を聴いて手描友禅を体験した際、
確かに「色が混じらないように線に糊を置く工程がある」とおっしゃっていた。

言われてみれば、友禅と交趾は似ているし、大亀香合と翠嵐さんの交趾の技法もかなり違う。

違うけど、交趾焼はお茶の世界なくしては残っていなかった焼き物で、いわば「お茶の申し子」。
なのだそうだ。

現在は伝統的工芸品として、国からの助成を受ける対象となっているそうだけど、
伝統の守るだけではなく、新しい技術にも取り組みたいと意欲的な姿勢にも感動した。

有意義な講演で満足

これからは技法にも注目しながら、交趾を拝見しようと思った。
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2 コメント

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総会 (ふくろう)
2012-07-02 16:13:33
総会も支部によって催しが全然違うので、交趾焼の中村翠嵐さんのお話いいなあ
よく○究会で他支部の総会の案内が紹介されてるのを見ると、この支部の総会に出たいって思う事が
担当の方が一生懸命に計画を立ててくれて申し訳ないけど・・・
うち支部は「落語」だよ
行けなかったけど(実は行かなかった)
でもAkatsuki庵さんは「落語」もお好きでしたね。
返信する
総会 (Akatsuki)
2012-07-02 18:26:54
ふくろうさん
たぶん、研究会で紹介されている総会は他支部でも参加できるはずです。
もちろん、チケット買ってですが
私も前回はペアチケットだったので、他支部というか他地区の友人誘って聴きました。
確かに、たまーに興味ある講演ありますね。
私の場合、他支部の知り合いに遭遇して小っ恥ずかしい思いしてまで~
行きたいとは思わないので、その支部の友人に誘われた時しか行かないです
返信する

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