10月の読書会は「私の方丈記」。
帯には、幸福と老いの境地を見据えた名著と・・。
古典文学 学ぶのに、非常にお得感のある「方丈記」でした。
1冊の河出文庫本の中に、三木卓の現代語訳の「方丈記」が、まずあり、その後の中心に三木卓の「私の方丈記」が書かれていて、ラストに また原文の「方丈記」(三木紀人校訂)が・・・。ねっ、何度も方丈記で 読者に至れり尽くせりでしょ? それで650円は安いよ!
800年前の作品で、原稿用紙にすると、たった25枚のエッセイが、未だに こんなに日本人の心を揺さぶるなんて・・・。
『ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし』なあーんて、どっかで聞いて、日本人なら誰でも知ってるよねー。
何とも、心にしみる諸行無常・・・。私の中の鴨長明は、和歌を詠み、琵琶を奏でる 品の良い世捨て人。
で 三木氏は、引揚者でご苦労は多かったと思うけど、翻訳家で芥川賞作家で、鎌倉に仕事場と自宅を持ってる裕福な人だよね。
共感できたのは、『今年の紅葉は、…とても美しかった。年一年、風景がより美しく見え、この世界の素晴らしさを感じて生きている。それは、僕がそれほど遠くない未来にこの世を去る、という気持ちのあらわれだろう』でした。
読書会では?それぞれの無常観・終の棲家と、「雑談力」と「絶つ力」で、話しは弾みましたね。
日本料理の店の個室で、こっそりとシュークリームとリングケーキを食べながらね。おばちゃんだけの小さな読書会の良さですね。
雑誌を読んでたら、現在日本では、一年間に1457点の新書(2017年)が発行されているという。「私の方丈記」も、当初は新書として発行・・・。そりゃあ、本が多すぎて、出版社はジャンジャンあの手この手で工夫して・・・。何だか、かっての映画界斜陽の嘆きを想い出しますね。 ところが今や、いつの間にか日本映画界は、アニメ漫画が中心に座って 凄い厚いフアン層ですよね。フイルムの回し配達映写ではなく、ダビング機能のフルで、全国一斉同時映写・TV放映ですものね。昔も今も 娯楽の王様は、映画ですよ。昔の心配が嘘みたいね。
おそらく、本は、これから もっと違う形で生き残るのでは?AIのセレクトで、個人一人一人の好みに合わせて目線や声が届くとか?
今、作家は、年間何人がプロとして、出現かしら?と考えると、読書会の誰かが言った鴨長明は縮小していき、三木卓は、拡大していったくせに今更嘆くなんて・・・と・・・。三木さん、作家として大成功者ですぞえ。
ティラちゃんの服でも・・と、季離宮のドール展へ、帰りに寄りました。
やっぱ、うちのティラが、一番かわいい!
服も小さくて高かった。「誂えは高いですよ」とドール衣装服のデブ女が意地悪く言ったね。もう少し待ってね。ティラちゃん!
娘から、GIの誕生祝が届きました。庭を明るく黄色に照らしてくれる外灯。ありがとう!
でもさ、嬉しいけど あんまり立派過ぎて、狭い庭と古びたGI&BAは、こっぱかずかしいーね。
急に寒くなったので、駐車場と室内にメダカを入れました。そしたら、水草の花が開きました。アリガト。