大相撲秋場所が終わりました。相撲と言えばいつも思い出す65年前頃の出来事があります。私が小学1年か2年生ぐらいの時です。
ある日の小学校のクラスに、警察官の娘が転校してきました。(あの当時は、今よりももっと警官は、尊敬され権威がありました)。その彼女が、「私のお父さんは、栃錦(横綱で一番人気)と友達で、栃錦は、家に遊びに来るとグランドピアノの上に寝そべるのよ」と言いました。それを聞くと、もう、羨ましくって羨ましくって・・・・。栃錦に会いたーいと思いました。
母からは、放課後は、学校よりこっち〈家の近く)では、遊んでいいけど、向こうには行っちゃあダメと言われてましたが、どうしても行きたくて、こっそりと 遠くまで歩いて出かけました。
誰と行ったのかは忘れましたが、彼女の家の側に着いて、ガッカリ。 私の記憶では、彼女の家は、川の側の他の家よりも一段低い河原の側の小道にある小屋のような家でした。 終戦後10年ぐらいですので、みんなが貧しい時代でしたが、よりみすぼらしい家で、グランドピアノなんか置けない・・・。
覚えていませんが、私のことだから多分相当非難したのでは・・・? 信じて夢みてたので 警官の娘が嘘つくなんてと怒ったのでは?・・・。彼女は、しばらくすると また転校して、どこかへ去って行きました。
だから、相撲と聞けば、何かの拍子に いつも この事を思い出し、クスッと笑えて、当時の幼い彼女の気持ちを考えると、チクッと心が痛む 思い出です。
( ピアノと栃錦 今でも想像出来ますよ)
70歳過ぎても、6人の幼い孫の気持ちですら 深くくみ取ることができない 自分の無神経さを 反省したり考えたりもします。
秋が来ると、青が目に沁みますね。
私が考える現代女流作家の第一人者は、角田光代です!
どの作品を読んでも、「ありゃ どうしてあたしの胸の内を知ってるの?」と、チクッと心に刺さります。
現代の太宰治って感じ・・・。読者が隠してる 心の弱さを・・開かないで・・・と、思いながら読んでます。
上手すぎて、一気読みしたくなる程の筆力!この本類は、娘から・・。
大ぼら吹きの少女は、どんな夢みるおばあさんになったかな?仲良くしたくってついた壮大な嘘だよね・・・。
もしかしたら、父親が警官も 彼女の願望だった?
今となっては、可愛い嘘だよね!