標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

台風が去って残したものは? 自然に対しては謙虚に対応することが必要か?

2018-09-05 19:24:27 | 日記
台風21号は、主として都市部に甚大な被害をもたらし、あっという間に過ぎ去った。自然の驚異の恐ろしさを改めて知った。
幼いころは「地震、雷、火事、おやじ」といっていた。しかし、近年は地震、火山噴火、大雨、暴風そして今年は猛暑。もちろん雷、火事が怖いのは違いない。そして、昔ほど怖くなくなったのは「おやじ」だけのようだ。

台風21号の接近にあたり、天気予報では、予め気象庁も強烈な風に注意するように、予め会見を開き注意を促していた。そして、今回は、JRの在来線、新幹線などは早々と運休を決めた。また、大型デパートなどの休店を計画し、台風の進路予報により学校を休校にするなどの措置をとった。このため、一定程度の被害は防げたのだろう。しかし、残念ながら過去に経験のない猛烈な風への十分な備えはできなかった。

船が流され関西空港と本土とを結ぶ橋に衝突し、3000人を超える人々が、浸水した、停電が発生した空港に足止めになった。また、別の港では車が流され火災が発生した。市街地の道路では、車が倒され、路面を這うように風によって流されていた。看板、工事中の足場、屋根などが風であおられ飛ばされた。11名の方が命を落とし、600人を超える人が負傷された。

地球の歴史からすると、ほんの瞬間を生きる我々にとっては、遠い過去を直接知ることはできないので、その怖さを具現化できないが、過去には幾度となく同様のあるいはそれ以上の脅威はあった。

三陸沿岸各地では、たびたび大きな災害をもたらした津波の襲来を記録した碑が残されている。その形態は様々。被災者を慰霊するもの、津波の最高到達位置、避難喚起など、後世への教訓が石碑や防潮堤の形で建てられているという。これらの教訓が生かされないうちに、東日本大震災の津波により多大な犠牲を負ってしまった。

遡れば、旧約聖書に「ノアの方舟と大洪水」の伝説が書かれている。さらに、考古学では、恐竜は隕石が地球に衝突した時の膨大なエネルギーによって消滅したという説もある。これらの説の真偽については、さておき、このような話があるということは、作り話等であっても、今の我々にとって大いな教訓とすべきだと思う。

地球は人間が創造したものではない。水や空気、砂や岩、植物と動物などあらゆるものが、等しく共存している。人工物に依存するだけでなく、時には自然をあるがままに見つめ、受け入れることも必要であろう。その中には自然への称賛だけでなく、脅威を受け入れなければならない。

自然(の驚異)に向かう時、ベストということは存在しない。よりベターな方法で対応することとなる。従って、一つの方法でなく、バックアップ体制を取る必要がある。

関西空港の連絡橋も一か所だけでなく、少なくとも北と南の二つの連絡橋を作る必要があるのではないか。それも、北が昇り線とするなら、南は下り線とするなど、どちらか一つが故障してももう一つが使える。完全ではないけれども、ある程度リスク回避が可能になる。工夫すればコストも下げられるのではないかと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする