祓戸の神様は水に関係がある神様です。水に関係がある神話の姫には、祓戸の4柱だけでなく、浦島太郎のモデル山幸彦が龍宮であった乙姫の豊玉姫や、神武天皇の母玉依姫もいらっしゃいます。
また、天照大神と素戔嗚尊の禊でお生まれになった、宗像三女神や、住吉大社の底筒男命、中筒男命、上筒男命もいらっしゃいます。
また、イザナギノミコトの剣によって生まれた神々など、水に関係深い沢山の神々がいらっしゃいます。
祓戸の4柱については謎も多いようですが、大祓祝詞を唱える時は、私なりにイメージしながら唱えています。
まず、流れの速い川に瀬織津姫神(せおりつひめ) がいらっしゃいます。
そして、川から海に人々の罪穢れを運んでくださいます。そして、海まで運ぶとバトンタッチします。
次は、海にいる速開都姫神(はやあきつひめ)が、その罪をがぶっと呑み込んでくださいます。
そしたら、次に海に強風を起こす神様にバトンタッチします。その呑み込んだ罪穢れを引き受けて地底の国へ吹き放ってくださるのです。その海風を起こす神様が気吹戸主神(いぶきどぬし)です。
まだ、ここでは、バトンタッチして渡していますので、罪穢れは存在はしています。
最後に、地底の国にいる速佐須良姫神(はやさすらひめ)がその罪を持ってさすらいます。そしたら、流石(さすが!)です。さすらっている間に罪も穢れも消えてしまうのです!
このように、バトンタッチしながら、最後の最後にあらゆる罪を消したから、この国に罪という罪は一切なくなりましたよ。
というのが大祓祝詞を唱えながら私がイメージするものです。
この祓戸の4柱については、いずれもヒメと呼ばれており、最初祝詞を唱えていた時は4柱のヒメ様かぁと女性を私なりに想像しながら唱えていました。
古事記、日本書紀には書かれていない瀬織津姫様は謎の多い神様です。また、最後の一柱も、誰なのか意見が分かれているようです。
江戸時代に古事記伝を記した本居宣長さんは、
- 瀬織津比売・・・八十禍津日神
- 速開都比売・・・伊豆能売
- 気吹戸主・・・神直日神
- 速佐須良比売・・・根の国に居る須勢理毘売命
ととらえたようです。
名前は難しいし、名前や時系列を考えすぎると、どなたのことなのかわからなくなってしまいました。
速開都比売は、古事記にも登場する水戸の神「速秋津比売」と書かれる場合もあります。
最後の速佐須良比売についてですが、本居宣長さんのいう須勢理毘売は素戔嗚尊の娘です。
ただ、一説には速佐須良比売は素戔嗚尊(の分身)である、とも言われているようです。
ここで、私は、速佐須良比売様が素戔嗚尊の分身であるという意見の方にこれだと!!同感しました。
スセリヒメ様も素戔嗚尊のお子様なので、分身であることには変わりないのですが、やはり、素戔嗚尊ご自身が速佐須良比売なのではと思います。
なんとなくですが、最後の最後は俺に任せとけ!!!と、大海原に沢山おられる海の神々を、一番奥の地底にいながら最終的には纏めているのが素戔嗚尊だと想像しています。ヒメの名前にして身を隠しながらも、素戔嗚尊が踏ん張って人々の罪を最後は引き受けて持ちさすらって消して下さっているように思えるのです。
古事記、日本書紀では荒ぶる神様として描かれています。しかし、天照大神、月読尊、素戔嗚尊ともに、物凄いエネルギーで地球を守って下さっていて、特に、嫌われ役を引き受けて見えない所で名前も伏せて今も動いてくださっている神様が素戔嗚尊と思います。
神社にはいると、まずは、清めてから御祭神にお会いくださいというように、祓戸の神様が最初にお祀りされていたりします。手を合わせ、清めていただきました。
祓戸の神様4柱をどのように捉えるかは自由なので、私は速佐須良比売を素戔嗚尊と捉えて感謝しようと思います。
全ての神様大好きです!
【画像は豊玉姫、素戔嗚尊画像検索より】