摂津三島からの古代史探訪

邪馬台国の時代など古代史の重要地である高槻市から、諸説と伝承を頼りに史跡を巡り、歴史を学んでいます

天太玉命神社(あまのふとだまのみことじんじゃ:橿原市忌部町)~「古語拾遺」の忌部移住と当社の関係

2022年08月27日 | 奈良・大和
  当社の北に拠点(宗我坐宗我都比古神社)を持つという蘇我氏よりもはるかに古くから古代王権に関わっていそうな斎部(忌部)氏ゆかりの神社ですが、今は、境内の雰囲気は良いものの、相当にこじんまりとした神社でした。斎部氏というと奈良時代以降勢いが衰えていったようですが、なんとなくその歴史が思い出されました。そんな古い斎部氏の神社がこの地に有るのには興味深い「玉」にちなむ経緯があるらしく、参拝 . . . 本文を読む

談山神社(たんざんじんじゃ:桜井市多武峰)~定恵は藤原鎌足の遺骸を高槻市から移したか

2022年08月13日 | 奈良・大和
  学校で誰もが習った「大化の改新」(近年は襲撃を分けて「乙巳の変」)の密談の場だったり、秋ともなると3000本のカエデの紅葉に十三重塔等の社殿が包まれる絶景で有名な神社です。また現在では、境内社・東殿がご祭神・鏡王女(藤原鎌足の妻とされる万葉歌人)にちなんで「恋神社」と呼ばれ、縁結びの神様として女性の信仰を集めてきたことが、特にPRされるようです。灯篭も含めると国重要文化財が15もあ . . . 本文を読む

牟佐坐神社(むさにますじんじゃ:橿原市見瀬町)~大久保町の生國魂神社との関係や「呉国」の不思議

2022年07月16日 | 奈良・大和
  古代史で律令国家成立に向けたクライマックスと言える壬申の乱の戦いの最中に、印象的な託宣を下す神として気になる一柱が「牟佐社」です。今回は、その比定社である牟佐坐神社と共に、「日本の神々 大和」の「牟佐社」比定論考で異説として推されていた生國魂神社(大阪の難波大社・生國魂神社ではない)の二社を参拝をさせていただきました。橿原市は飛鳥のお隣で風光明媚な大和の観光地ですが、両社共に住宅街 . . . 本文を読む

十市御縣坐神社(とおちのみあがたにますじんじゃ:橿原市十市町)~事代主命で始まる十市県主系図のこと

2022年06月11日 | 奈良・大和
  だいたい、東に三輪山、西に多神社(その先に二上山)、そして南に耳成山が有るという絶妙な立地で、大和盆地の田畑に囲まれた集落の中にひっそり鎮座する神社です。駐車場はなく、境内もけして大きくありませんが、きっちりと木々が整った感じでよく手入れされていると思われる境内は、なかなかさわやかな印象でした。   ・入口の鳥居。扁額に豊受大神と刻まれます   【ご . . . 本文を読む

添御県坐神社(そうのみあがたにいますじんじゃ:奈良市三碓)~武乳速命と長髄彦の地域伝承

2022年04月24日 | 奈良・大和
  「延喜式」神名帳に載るこの名を持つ神社が、奈良市の歌姫町とこの三碓町の二社あり、論社となっていますが、どちらかと言うとコチラが多数派のようです。富雄川に沿う丘陵部の先端にあり、東方の生駒山方面の見晴らしはなかなかのものです。大通り(7号線)から神社の石標に導かれて車で入ったのですが、チョッと狭い道で対向する車が結構いたりで少々難儀しました。一の鳥居をくぐってから駐車場までは1台しか . . . 本文を読む