お堅そうにみえる「イタリア文化省」も粋なことをするものです。
バレンタインデーに
カップルで美術館を訪れると一名分は無料。
「みんな芸術に恋してる」というスローガンもいかします。
イタリア国内の国立の博物館、美術館、
遺跡などを訪問するカップルは
チケット売り場でその旨を伝えるだけで
チケット一枚は無料になります。
これはゲイなカップルでもオーケーということなので
仲良しの女性同士ででかけて行って
主張すれば一人分は無料になるのです。
この機会に「愛」にまつわる芸術作品を
ちょっと堪能してみるのもよいかも。
ローマなら
ボルゲーゼ美術館の
コッレッジョ(Correggio)の「ダナエ(Danae)」。
ユピテル(Giove)の4つの愛のうちのひとつを語る作品。
外界と隔離されたはずの寝室で横たわるダナエの元に
黄金の雫に姿を変えて訪れるユピテル(ゼウス)。
妖艶なエロティシズムを堪能できます。
同じくボルゲーゼ美術館に収蔵の
ティツィアーノ(Tiziano)の
「聖愛と俗愛(Amor sacro e amor profano)」も。
俗世のヴィーナスと天上のヴィーナスを描いたといわれる作品。
ヴェネツィアのニッコロ・アウレリオの
結婚式のお祝いに製作されたものといわれています。
彼の紋章が石棺に描かれています。
俗世のヴィーナスのモデルは彼の花嫁「ラウラ」であるとされています。
それからラファエロの作品も。
ファルネーゼ宮殿の
「アモーレとプシケの開廊(loggia di Amore e Psiche)」。
シエナ出身の銀行家アゴスティーノ・ギジ
(Agostino Chigi)の依頼で製作したもの。
ラファエロらしい淡いブルーの色遣いの中に
花が舞い散るシーン。
ファルネーゼ宮殿では
「ガラテアの勝利(trionfo di Galatea)」が有名ですが、
バレンタインだからこそ
「プシケの物語」に重点を置いて鑑賞したいところ。
この作品を制作するのに、ラファエロは
「愛する人がそばにいないと筆が進まない」といって
パトロンであり依頼主であったアゴスティーノ・キジを説得し
la Fornarina・Margherita Luti(マルゲリータ・ルーティ)を
付き添わせていたという逸話も残っています。
その彼女の肖像画は
ローマならバルベリーニ宮殿(Palazzo Barberini)、
フィレンツェならピッティ宮殿(Palazzo Pitti)の
パラティーナ美術館で。
白い肌をさらしたふくよかな女性の肖像画です。
そのほかにはちょっとマイナーなところでは
マントヴァのサンジョルジョ城(Castello di San Giorgio)の
北塔にある結婚の間(Camera degli sposi)。
アンドレア・マンテーニャ(Andrea Mantegna)の
フレスコ画で飾られています。
1465年から1474年にかけて
ルドヴィコ・ゴンザガ(Ludovico Gonzaga)の依頼で
製作されたもの。
とか。
ユネスコの文化遺産として知られる
サレルノのチェルトーザ・ディ・パドゥーラ(Certosa di Padula)。
1306年に建てられた修道院で
その回廊のスペース約50,000平方メートル一面に描かれる
「愛」を象徴する絵画なども見もの。
私は時間もないので行けないなぁ。
まずその前に一緒に行く「お相手」がいないのねぇ。
ビリーを彼だと言い張って
許してくれるくらい寛容な美術館なら行ってみたいけど!