不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Giocattolo per cane

2004-11-21 15:04:13 | 日記・エッセイ・コラム
イタリアは犬にとって天国なのか地獄なのか?
日本では「お犬様」の扱いも当然という感じもあり
ワンコグッズはピンからキリまで種類も豊富。
イタリアは人間様の身の回りのモノだって
あまり品数が豊富でないのですから
ワンコたちの身の回り品なんて超品薄。

ビリーさんは帰国のたびに大量に買い付けてきて
小さいころから与えていた
日本のおもちゃとおやつにすっかり慣れてしまって
イタリアのそういうものには見向きもしてくれません。

イタリアの街中には小さなペットショップが
いくつかあるのですが、
なぜだかなかなか見つけにくいというのも事実。
あんまりペットショップらしからぬ様相を
呈しているからなのでしょうか。

これはフィレンツェのドゥオーモ(Duomo)から
サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会(SS.Annunziata)に
抜けるセルヴィ通り(Via dei Servi)にあるペットショップの店頭。
immagine14.jpg
Che realistico !
リアルというかシュールというか、とんでもない姿のおもちゃ。
トリなんですけどね、見るからに。
こんなリアルなおもちゃで遊んだら
どんな野生児に育つのかと…。
写真では見難いけれど、
トリさんの目は×印になってますし…。
こんなものなのに
堂々8,20ユーロもしてとても買う気にはなれません。



Kebab

2004-11-21 02:06:28 | Squisito!
最近フィレンツェにはその方面からの移民が増えてきたせいか
雨後のたけのこかきのこのように
やたらにオープンし始めた「ケバブやさん」。

そもそも「ケバブKebab」とは
その食べ物の発祥の地であるトルコの言葉で
「焼肉料理」を意味するそう。
日本では「シシカバブ」が先行したせいなのか
「カバブ」という人が多いようです。

ちなみにうちの近所にある「ケバブやさん」は
私がフィレンツェに暮らし始めた10年前からある
いわゆる老舗で、
これまでに何度かオーナーが代わっているものの
(私が知っているだけでも現在のオーナーは3代目)
常にエジプト系。
だから私は常に(今でも)そのお店を
「エジプトパン屋さん」と呼んでいます。
その当時菜食主義だった私は
このお店に行っても
ファラーフェル(ソラマメコロッケ)ばっかり食べていたのと
エジプト系ということでケバブを
アラブ風に「シャウェルマ」と呼んでいたので
それという認識がなかったわけです。

まぁその後私の中に「ケバブ」という存在が確立され
街中で色々な噂を小耳に挟むようになり
ケバブが力をつけてきているなぁと感じるようになってきたところ。

本場ではケバブといえば「羊肉」のようですが
イタリアでもっぱら食べられているのは牛肉とチキン。
発祥の地トルコをはじめ中東諸国で
こうした焼肉をパンにはさんで
ファーストフード感覚で食べるスタイルがイタリアでも主流。
こうした「パンに焼肉をはさむ」タイプを
「ドネルケバブ」と呼ぶそうです。
オーナーの出身国によって使用しているパンは様々ですが
とにかくそうしたパンに焼肉と野菜とソースを
てんこ盛りにして食べるのは手軽でおいしい。
イタリアでもファーストフード的にお昼につまむ人や、
遊び疲れた夜遅くに食べる人が多いみたいです。

で、これまで色々噂を聞いてはいたものの
なかなか機会がなくていけなかったケバブやさんに行ってきました。
シニョーリア広場の近くにあるので、
街歩きや観光の途中に寄るにはもってこい。
Via Condotta(コンドッタ通り)から広場方面に
ちょっと路地を入ったところ。
ここはペルシャ系のケバブやさん。
清潔感の漂う店内には高いスツールのカウンター席が6席ほど。
ショーケースにはなんだか魅惑的なものが
ずらっと並んでいるのですが、
今回はケバブだけで我慢。
注文したのはチキンケバブ。
野菜たっぷりでフライドポテトまで盛り合わせて3,60ユーロ。
(マクドナルドより栄養バランスはいいし安いし)

kebab

La Siesta
Via Magazzini, 7r


Preparazione per Natale

2004-11-21 00:59:38 | まち歩き
11月も終わりに近づいてきて
クリスマスまでもあとひと月ちょっと。
俄然街が賑わってきました。

トルナブオーニ通り(Via Tornabuoni)と並んで
ブランド通りとして名の知れた
ヴィーニャ・ヌオーヴァ通り(Via Vigna nuova)も
クリスマスに向けて
イルミネーションの準備を始めていました。

illuminazione

毎年のことですが、狭い道にクレーン車を繰り出して
通りをはさんだ建物に川の流れのような
イルミネーションを渡しているのですが
なぜか電球の電気つけたまま作業。
感電するとかそういうことは考えたりしないのでしょうか。

こうして次々に街中が華やかに色づいていきます。
こんな色づいた街にあてられないように
きりっといきましょう、きりっと。



Piccolo concerto

2004-11-19 19:14:43 | 日記・エッセイ・コラム
友人がフィレンツェのドゥオーモの聖歌隊に入団した。
そんな大げさなものではないのかもしれないけれど、
機会があればあのドゥオーモで歌うなどという
光栄なこともありうる。なんて素敵。
そして私は唄わなくても、
友人の晴れ舞台を見に行くということで
なんだかちょっといい気分になったりして。

金曜日の夜にはコンサートがあるからねと
前から知らされていた。
友人デビューの日。
SS.Annunziata教会でという話で早速出向いてみたけれど
どうもコンサートをやる雰囲気ではない。

連絡がついて
普段は入れない回廊のほうの「S.Lucaの礼拝堂」が
コンサート会場になっているとか。

この「S.Lucaの礼拝堂」には普段入ることはできない。
私は数年前、居候の従姉妹の娘の洗礼式の際に
ここへ連れて行ってもらったことがある。
マニエリスムな雰囲気の漂う素敵な礼拝堂。
cantori_01
聖歌隊の皆様。
普段は大聖堂聖歌隊という名ですが、
時々フォーメーションが変わって
Cantori di San Giovanniと呼ばれることもあるようです。
今日は違ったフォーメーションでのコンサート。

cntori_02
かなりベテランの方々ばかりです。
すごい顔ぶれなのです。
50年以上は唄ってますよという
年季の入ったおばあちゃまが多いです。

cantori_03
「Chiostro dei Morti(死者の回廊)」からアクセスする
この礼拝堂は聖ルカに捧げられたものです。
S.Lucaというのは画家の守護聖人です。
この礼拝堂の中には
Cellini(チェッリーニ), Pontormo(ポントルモ),
Franciabigio(フランチャビージオ), Bartolini(バルトリーニ)など
著名な作家たちが眠っています。

immagine9.jpg
こんな素敵な場所でコンサート。
楽しみにしていたのですが、
なんと開園間際になっても誰も来ない。
まぁ待っていればそのうち始まるかなと
気楽に構えていたら
聖歌隊の隊員の一人が
私のところに古めかしいカセットレコーダーを持ってきた。
「録音してください」
私は音響さんですか…。まぁいいけど。

それにしてもなかなか始まらないし、誰も来ないし。
おかしいなと友人たちと話しているうちに
キャリアウーマン風の女性がつかつかと近づいてきた。
「本日のコンサートはプライベートコンサートなので
申し訳ないですが退出してください」
「へ??」
聖歌隊のおばちゃまたちのブーイング。
「ノォォォ。」

まぁ揉めても仕方ないので
(気持ちよく歌ってほしいですからね)
あまり駄々をこねずに
(私にしては珍しい…)退出。

ちょっと残念だったけど、
プライベートコンサートだといわれれば仕方ない。
またの機会に友人の声は聞かせていただくことに。