「ローマの水はきれいだ」
「ローマの水道水はうまい」
「ローマの街角の噴水の水は誰が飲んでも大丈夫」
と、よく言われます。
さすがに今の寒い季節にはそうでもないけれど
夏の暑い盛りには噴水から
がぶがぶ水を飲んでいる人をたくさん見かけるし。
しかし、ローマを流れるテヴェレ川の水質汚染はかなりひどい。
アルノ川の比ではないくらい。
アルノ川にはこれでもかというほど川魚が生息しているけれど
テヴェレ川ではずっと魚の生息が観測されずにいて、
なんだか昨年くらいから
ちょびちょび魚の生息が再確認できてきたらしい。
その程度。魚も暮らせない川なのです。
しかし、
魚が再観測されたのをうけて
ローマの人は
「テヴェレ川の水質は改善されてきている」というわけです。
しかし、実際はテヴェレ川はまだまだ汚れています。
ローマ市の中心部に至る前の郊外の地域でさえ
既に汚染度がかなり高いという警告が出されているのです。
海に近いフィウミチーノの手前辺りでは最悪の水質だそうです。
決してローマの皆さんが
テヴェレ川から飲料水を調達しているわけではないでしょうけど
これはちょっと喜ばしくない結果。
ローマ市内の噴水などは
湧き水なのだという説もありますから
市内の飲料水は決して危険なものではないと思いますが。
でもローマ市の323,000人以上の住民が
「浄水されていない水」を飲んでいるという調査結果も。
浄水設備が整っていない地域のうち83,000人は
下水道設備網も整っていない地区で暮らしているのだそうで。
ということは、言ってみれば
その辺りの人はみんなテヴェレ川に垂れ流している
ということですよね・・・。
恐ろしい現実。
しかもローマはイタリアの首都ですよ。
そしてイタリアは一応工業先進国なのですよ。
いいのかなぁ、こんなことで。