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「ご臨終メディア -質問しないマスコミと一人で考えない日本人」

2005-11-22 08:19:00 | コミュニケーション-メディア
11月21日夜は、「ご臨終メディア -質問しないマスコミと一人で考えない日本人」
対談を書いた森達也氏、森巣博氏の
青山ブックスセンター主催のトーク・ライブを聞いた。

本の内容は、
報道人への志の喚起と、(マス)メディアを消費する日本人への警告という印象です。
映像の仕事をする森氏は、
TVという強大なマス・メディア・チャネルでの、
情報の単純化を憂います。
20世紀の情動的な流動社会は、映画と放送(ラジオ)に支えられ、
TVの絶大な社会的な力の最中にいます。
マス・メディアのコンテンツ制作の力学を、四捨五入にたとえ、
.5からの切り上げを、やらせの可能性、.4からの切捨てを、少数意見の抹殺と警告します。
しかし、この制作・編集過程の四捨五入の後、
完成されたコンテンツを、断片化し、消費してゆくのが庶民です。

森巣氏は、豪州に住んでいる作家、文字・文章の世界の人です。
「公共圏」という理想、考える論理の必要性を訴えます。

両者とも、
市民:自身や地域に責任を持ち、発言・行動する人 
という仮想の上に語っています。
しかし、現実にいるのは市民ではなく、庶民、
"リテラシー”も、"論理”も、手段ではなく、話題でしかありません。
いろいろなお囃子を大量消費している庶民の一人として、
”良い話を聞かせてもらいました”としばらく話題にし、
なんの整理も無く、次の話題を重ねます。
いや、TV時代、
チャネルを変えれば、次の映像がかぶり、
画面を等価に、消耗品としてゆきます。

四捨五入のたとえを拡張してみると

 自然状態 
  0.4×0.4 =0.16
  0.16×0.16=0.0256
      → 0   淘汰
  0.9×1.2×0.8×1.4=1.2096 
      社会変化は、リスクとチャンスの累乗

 管理状態(四捨五入)
 0.4 ↓ =0     切捨て
1.4 ↓ =1     メディアの保守性

 市場状態(切り上げ)
 1.4 ↑ =2     差異の拡大
 2×1×2・・・
 
 切り上げ基準の硬直化
 2×2×2・・・     

欲しいものが欲しい、見たいものが見たい、
庶民生活構造がすでに基準を自己循環させているのは、
何なのか?

また年を越し始め、
来年こそ良い歳にと、年忘れの季節がきました。


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