のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

悔しい

2007-04-12 | KA
 あれから心は落ち着き、いつもの状態に戻っていました。ただ彼に対してはまだ“恐れ”が残っているのはわかっていました。今日彼に言われたことは決して悪いことではないのに、前のことが思い出されてしまい、少し心が乱れました。
 心情が演技に出やすいことは良くわかっていることなので、自分の心をいつもいい状態にしておきたいと思っています。だから、それからの本番までの短い間にどうにかしないと、と思いました。そしてそれが出来たと思っていました。

 演技を終え階段を駆け上がりながら叫びたいぐらいでした。それを抑えて言った言葉。
「悔しい。」
 彼に負けたような気がしました。

 すぐに乳母役のゲイルに会いました。
「今日は観ていたわよ。きれいだったわよ。でもいつもより力強い気がしたけど…。」
 心を観られている。読まれている。
 心落ち着かせられたと思っていたのだけれど、いい状態ではじめられたと思っていたのだけれど、心の奥底にあるものは本当はまだそこに残っていたようです。

「悔しい。」
 彼に負けたと考えたこと自体に。人間が小さすぎる。

「悔しい。」
 悔しいと思うこと自体が悔しい。そしてまた

「悔しい。」
 人間できていないな。

 帰り道、ゆるい坂道、上り坂。自転車を立ち漕ぎしてもなかなか進まない向かい風は人間を叩き直してくれているようでした。
コメント
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