のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

ライザ・ミネリ

2006-10-11 | KA
 昨日、歌手のベスに「明日日本人の友達来るから!」と言われました。「・・・ローテーションが変わったので明日は出ないの・・・」
 今日、メイクをしている時にアナウンスが入りました。「今日はスペシャルゲストが来る予定です。ライザ・ミネリさん!」「うそー!!!」大大大大大ショック!!!
 彼女の曲は世界大会でも使ったし、みんなともいろいろ踊ったし、ジュディー・ガーランドも好きだし、えーと、えーと、えーと・・・とにかく何で今日なの!今週から変わったばかりのことじゃない!
 ショックは隠しきれず乱れていました。
 今日はプロップスを手伝いました。メイクは代役に何かがあったときのためです。今日付いたプロップスのジョンはいろいろと慰めてくれ、「彼女は2ヶ月くらい前に、あるバンドのショーに行くと言って行かなかったそうだよ。だから今日も来ていないかもしれないよ。」と。
 しかし、彼女は来ていました。そしてバックステージにもいらしてくだり写真も撮ってくれました。存在感が本当にある方です。私はプロップスの仕事の途中でしたので、お客さんの投げられてしまったカメラや携帯やタバコを持って写真に入りました。彼女はショーがとても気に入ったと言ってサンクスギヴィングの前にまた来るとおっしゃってくださいました。そのあと個人的にも写真が取れると言うので本物のカメラを取りに行き、戻ると、残念ながら彼女はもう去るところでした。写真は撮れませんでしたが出口に向かう手前の10歩ぐらいを一緒に歩きお話しすることができました。
 彼女がまたいらしてくださると言うことを信じて、そのときまでに今の自分より少しでも進歩できるよう日々過ごしていけば、今度は私が舞台に立つ日にいらしてくださることでしょう。そのときは感謝をこめて踊りたいと思います。

木曜日改善

2006-10-10 | KA
 いつのころからか、木曜日は代役ばかりになっていました。私としてはいつもの相手としたほうがやりやすいので良いのですが、お客様に対してはどうなのだろう・・・といつも思っていました。
 先週、アーティスティックディレクターが木曜日のショーを観たそうです。そして「観てられず中座した。」と。
 即、代役の出演日が振り分けられました。今週から代役ばかりの木曜日はなくなります。ようやく、またひとつのことが改善されました。

シルクの日本人アーティスト

2006-10-09 | Cirque du Soleil
 佳奈子さんがラスベガスに到着しました。
 
 彼女はここへ来る前、モントリオールでトレーニングをしていて、契約が取れてから連絡を取り始めました。まだ一週間のことです。メールでのやり取りだけですがとてもいい印象を受けています。また、彼女の“わくわくした気持ち”が嬉しくて、そんな夢や希望がいっぱいの彼女と早く会いたいと思っています。彼女もここが初めての一人暮らしとなるようで、私がここへ来たときにたくさんの人に助けていただいた分、今度は私が彼女の手助けを何かできるようにと思っています。

 佳奈子さんはシンクロの方。“O”に出演します。

芸術の秋

2006-10-08 | 日記
 ラスベガスでダンスの公演を観ることができるのはまれなことです。今日は久しぶりにダンスを観られる!
 会場はここから自転車で30分ぐらい。気持ちのいい今の季節、自転車をそれぐらいの時間走らせるのは嬉しいことです。
 劇場に着くとチケット売り場に列ができていて、その顔を見ると年配の方が多く「はたしてどんなダンスなのか・・・」と少し不安になりました。客席数300人ぐらいの劇場は満員で、ダンスのコンサートでこんなに人がいっぱいになっているのも初めてのような気がしました。
 プログラムを見るとKAの仲間のほかに、いつも習っているバレエの先生や習ったことがあるダンスの先生の名前も見つけることができました。いつものことながら振付家の名前が前面に出ているところが興味深いです。
 これは、一つ一つの作品を簡単な照明でシンプルに次から次へとみせる形の公演です。ソロの作品もあればグループもあります。シリアスなもの、ユニークなもの、笑わせるもの、さまざまな色がありました。その一つ一つの完成度が高く、ダンサーはすばらしく本当に魅せられました。そして自分も何かやりたいという気にさせてくれます。いや、やらないと!
 友達が何人か観に来ていて、今日ここでこのダンスを観ることができたことを喜び合いました。大きなショーばかりが注目される中、また自分たちがその中にいる中、“素”のすばらしいものに触れ、心が喜んでいました。

 夜は“Burn the Floor”のフリーチケットをいただいていて観に行きました。一度日本で観たことがあるのですが、何か変わっているのか、今観るとどういう風に思うのか自分の中で興味がありました。感想は日本で観たときとかわりませんでした。ただ、あの大きな国際フォーラムの上のほうで観たときより近くで観たので、ダンサーたちのエネルギッシュな姿、それを一時間以上、ほぼ出っ放しで続けていることへの評価は充分にできると思いました。これは一日二回公演できないでしょ、と思って今予定を見たらやっていました。敬服。

仲直り

2006-10-07 | 日記
 更衣室の席が横並びの若者たちが言い合いをしたのが約一ヶ月前。それから彼女達の会話は挨拶以外にほとんどありませんでした。私はお互いがいないとき両サイドからそれぞれの言い分を聞かされ、始めはただただ聞いていました。最近はここは仲を取り持ったほうがいいのかと、何か言うようにしていたのですが片方が頑固なこと。お話になりませんでした。
 きっかけになったひとつのこと“写真を無料で撮ってあげた”。その作業が完了し、その写真が一方に渡されました。それに対しもう一方はお礼の贈り物を用意しました。
 そこでまた言い合いが・・・
「やったことに対してプレゼントで返す、普通の状態ならまだしも4週間も口を聞いていない状態でそういうことをするのはお金ですべてを解決しようとしていること。アメリカではそれは許されないこと。まずは普通に会話ができるようになってそれからプレゼントを受け取るから。」
「私の国ではプレゼントをすることをきっかけで仲直りをすることができる。これは心をこめて用意したもの。私はアメリカの文化を理解しよう今までもこれからもするけれど、今回は私の国の文化も理解して欲しい。」
 この二人の間なら歩み寄れそうな気がしました。ところがもう一人が強い。
「お金と涙で解決なんてけしからん。それに・・・」
 と言い合いのきっかけの彼女たちの旅での話をまた言い出しました。もういいじゃない・・・
 結局、言葉を口から出したことで会話が始まり、歩み寄りが始まりました。強い一人はまだ心に何かがありそうですが二人の仲を見ていたらほどけていくことでしょう・・・そう強く願います。

悪夢?

2006-10-06 | KA
 バトントワラーなら誰しもが経験していることだとは思うのですが、“はまって”しまって・・・
 難しいとか難しくないとかいう問題ではなく、ひとつのことが突然できなくなる。何度やってみてもうまくいかない。それに気づくと余計に考えすぎて解決はさらに難しくなっていく。
 ショーの合間に10回連続キャッチ。それでも落ち着かず「うー。」とか「あー。」とか言いながら劇場の中を歩き回る。
 私の怪しい行動に「どうしたの?」と訊かれ「はまってしまって・・・」と言うと「何に?」と訊かれ「・・・悪夢。」詳しく説明する心の余裕がなく答えた言葉。そして落ち込む。自分で状況をさらに悪くしている・・・
 言ってしまったことは取り返しがつかないから、その上に前向きな言葉を並べ、唱え、“普通”の状態にもっていこうとする。そういう作業をしていること自体“普通”でないとわかっていながら。

 とりあえずやってみないと!

 気持ちよく、気持ちよく踊っていました。“それ”は最後。そこまで普通にできるのはいいこと。そして“それ”をする時『悪夢』と言う言葉が頭をよぎり、思わず笑ってしまい、バトンを投げる直前「さらっと」と思い直し・・・ここまで瞬間の出来事。そしてはまりました、取りたい位置の手の中に。

「抜け出しました!!!」
「何から?」
「悪夢から。」

 このまますっきりと次のショーができますように。

マクドナルド

2006-10-05 | 日記
 今日は雨。下界では久しぶりの雨。3人が日本に帰る時間に降り始めました。私の代わりに涙を流してくれているようでした。
 
 私の出勤時間になっても雨が降っていて、JJとズラが迎えに来てくれました。そして「ハイ、これノリコの分。」とマクドナルドの袋を渡されました。ポテトとチーズバーガー。「自分たちにも買ったのだけど、ノリコもいるかと思って。電話したらNOって遠慮すると思ったからしなかったの。ハイ、これは飲み物。」コカコーラー。ポテトをつまんでいるうちにMGMに着きました。
 せっかく頂いたのだからと思い、持参したおにぎりのおかずに(?)チーズバーガーとポテトをグリーンルームで食べていました。
「ノリコがマクドナルド食べてるよ。」
「ノリコ、具合悪いの?」
「ノリコがマクドナルド食べているなんて信じられない。写真撮らないと。」
「ノリコ!!!マクドナルドなんてどうしたの。」
 通りかかる人がある度にビックリされ本当に写真を撮る人もいました。確かにマクドナルドで食事をすませることは一年に一回位しかありませんが「私は絶対にマクドナルドはいかない!」と言っているわけでもないのに、反対に「私は健康食しか食べない。」と言っているわけでもないのに、人は良く見ています。
 JJとズラは・・・「ノリコは食べることが好き!何でも良く食べる。」と思っているのかな。彼らとは親しく付き合っていますので。

リスニングセッション

2006-10-04 | KA
 参加自由のアーティスティックディレクターのリスニングセッションが予定されていて、私はてっきり彼が何かを話しそれを聞く、意見があれば言うというものなのかと思いなんでも話は聴いておこうと参加することを決めていました。
 時間に集合場所のトレーニングルームに行くと参加者は数人。ビックリしました。彼も予想外の少なさにビックリ。そして小さなミーティングルームに移動しました。
「これしか集まらないと言うことは、みんな今の状況に満足しているんだね・・・さあ、何か言いたいことは?」
 アーティストが次々に思っていることを言い始め「そういうことだったのか・・・」と、この会の意味をやっと理解しました。どういう形であれ普段ボーっと過ごしてしまっている私にとって人がどう思っているのか聞くのは大事なことで右に左に耳を傾けながら有意義な時間をすごしました。
 その中でも大きな問題のひとつは演技指導をできる人が欲しいということでした。このショーはアクロバットをみせるということだけでなくみんながキャラクターになっているのでアクロバットの技術指導をするのと同じようにアクティングの技術指導者が必要不可欠だと。これは前々からの多くのアーティストの希望でした。 
 そしてこの会の直後に全員がトレーニングルームに集められ、今のアーティスティックコーディネーターに替わり新しい人が来ることが発表されました。いままでその役をしていた人は元アクロバットの人なのでこのショーには弱い。新しい人は演劇界出で元役者。
 ようやく一つのことが動きました。そして、今日集まった9人のアーティストがいる限り、ショーも環境もよくなっていくことと希望を感じました。

3人3泊

2006-10-03 | 日記
 友達が泊まりにきています。ニューヨークの帰りによってくれた3人組。リビングルームも使えるのに、狭いひとつのベットルームに3つのスーツケースごと納まって私に私の空間をつくってくれています。彼女たちののんびりした時の流れと、ちょっとした心遣いや気遣いがうれしくて、私は私の生活をそのまましながら一緒にいることの居心地のよさも感じています。彼女たちも窮屈でないといいのですけど。
 今日はKAを観に来てくれました。ありちゃんとあやかちゃんはバトントワラー、けいちゃんはバレエの先生。特にけいちゃんはバトンをあまり見たことがないということで感想の興味深いこと。バトントワラー3人で「なるほど。」と聞き入りました。
 帰りは友達に車を頼むと快く引き受けてくれて、私は自転車で帰るつもりが私のことまで乗せてくれて2台で4人を我がアパートまで連れてきてくれました。日本から友達が来ると、友達がいつも助けてくれて本当にありがたいです。

山の朝

2006-10-02 | 日記
 明るくなったのと、ジョージたちが起きだしたのと、トイレに行きたくなったのと・・・テントの外に出ました。山の朝の香りは大好き!
 昨晩あんなに激しい風が吹いていたからテーブルのものはすべて吹き飛ばされているだろうと思っていたらカップ一個を例外にみんな留まっていました。折りたたみの椅子も倒れていただけでそこにある。テントは二人の重さがあっても飛ばされそうだったのに・・・
 トイレから戻るとジョージがコーヒーを入れていて「また寝るの?」の問いかけに「うーん、ちょっと散歩しようかな。」昇ったばかりの朝日が棚引く雲を赤く染めて、ひんやりした風と大好きな山の香り。昨晩、ラスベガスの町の明かりが山の谷間からのマグマのように見えたところは、折り重なる山々の静かな薄紫のグラデーションになっていて・・・すぐ戻るつもりがキャンプ場を一周してしまいました。
 戻るとジョージ夫妻が出発するところ。ここからジョージは出勤だとか。KAから違う仕事に移ったジョージ。そしてメグもKAをあと3週間で辞めていきます。いい人はいつも去っていきます。
 同じテントに寝ていた友人がおきて外に出ていました。「散歩に行きませんか。」散歩は大好き!何周でも。
 膝の調子が悪いというので途中で座って話していると、アルビンが車で薪を買いに行くのに通りかかる。そして3人でドライブ。
 今朝は昨晩より寒い。戻って火をおこして朝食を用意していると一人二人と起きてきた。そして、ぽつ。「あ、雨?あれ?私だけ?」ぽつ、ぽつ。「ほら、雨。え、私だけ?」ぽつぽつぽつ・・・ザーーーーーーーーーー
 キャンプ慣れしているマリレンは「雨が降りそうだったから・・」と大きなシートを持ってきていて、それにロープをつけてテーブルの上にみなで屋根を張りました。「じゃあ帰ろうか・・・」とならないところが楽しい。風も強くシートがバタバタいう。あきらめないでロープをくくりなおして快適にしなおす。風はロープを結んだ部分のシートをちぎるほど強く吹き、それでも彼らはあきらめず屋根を張りなおす。
 ジャニンの車はタイヤがパンクをしてしまった。みなで雨の中、手際よく取り替える。そして、直し終わると空が晴れてきました。
 青い空が広がり、太陽の光が暖かい。まだ少し強く吹く風を受けながら自然に身を任せゆっくりとしたときを楽しみました。