のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

トイレ?

2007-04-20 | KA
 今日の古谷野先生の席はかぶりつきのセンターだと信じ込んでいました。何人かの仲間から「コーチ、いたよ。」とショーの間に言われたので、ズーマニティーからの“はしご”に間に合ったことを確認できました。
 最後のお辞儀のときに、そこ、と思った一列目の席に向かってお辞儀をしようとすると、「あれ!!!。」思わず目を見開いて一瞬止まってしまいました。そこの席だけぽっかり空いたのです。「先生、トイレに席を立ってしまったのかしら。頭が痛いと言っていた父の具合が悪くなって面倒を見て下さっているのかしら…。」私の頭ははてなマークがいっぱいで、外見はいつものようににこやかに手を振りながら舞台は下がっていきました。
 終わってから約束していた通りに先生は現れたので、
「ああ良かった。先生いらしたのですね。かぶりつきのセンターが空いていたので…。」
 と説明すると、
「違うわよ、今日はBの1。のんのんが下りてくるところ。」
 と。
 思い込んでいたものがあったので、そこに自分が下りたときに全く意識しませんでした。
 思い込みが激しいと感じることが出来なくなるようです。今日はもったいないことをしました。でも、先生が以前のようにトイレにどうしても行かなくてはならないようなことにならなくて、父の具合が悪くなったのではなくて良かったです。


慌しく

2007-04-19 | KA
 本当に慌しい一日でした。それでもショーの時間は、その慌しさを引きずらずに過ごせました。これは少しの進歩です。
 一回目のショーは古谷野先生を左のほうに感じながら踊っていました。感じる温かみの範囲が広いと思ったら、日本人の方が中央の席にもいらしたようで、最後のお辞儀のときにお声を掛けていただき、大きく大きく拍手を送ってくださいました。
 二回目のショーはたくさんの顔が浮かびました。古谷野先生はもちろん、世界大会にいつもついてきてくださったトレーナーの先生、今日が誕生日のアランさん、彼のお友達、いつもとても親切にしてくださるパティさん、そしてバトンを続けさせてくれた両親。何故か少し緊張を感じながら、みなさんの顔を思い浮かべては丁寧に動くようになっていました。
 終わってからもいろいろな人に会い、紹介したり、話したりすることになり、最後の最後まで慌しい、そして楽しい一日でした。

バジルとシソ

2007-04-18 | 日記
 一ヶ月ぐらい前に、バジルとシソの種を蒔きました。バジルは二年前に育てて収穫した種、昨年は蒔き忘れました。シソの種はいただいたもので蒔くのを楽しみにしていました。バジルはすぐに芽が出てきましたが、シソはなかなか出ず、もう一度試しましたがやはり出ませんでした。
 バジルは小さな双葉が少しずつ大きくなり元気な様子でした。ところがしばらくするとひとつずつ、毎日ひとつずつ倒れていき、ついに今日、最後のひとつも倒れてしまいました。私のために自分達が生きるエネルギーをくれていたのかもしれません。
 シソの種はまだあるのでもう一度試してみます。

お蔭さまで一周年

2007-04-17 | Weblog
 ブログを始めて一年が経ちました。誰にも伝えず静かに、どなたかがご覧になるようになるとはあまり考えずに始めたので、毎日たくさんの方がアクセスしてくださることに正直ビックリしています。そして、そのことが自分にとってこんなに励みになるとも思ってもいませんでした。ご覧頂いている方々に、コメントをくださる方々に改めて感謝いたします。
 毎日同じような予定で同じような生活をしているのに、いろいろなことが起こっているものです。ほんの小さなことでも書き留めておける場所があることは、人生を楽しくしてくれるものだということもわかりました。そして、乏しく未熟な私の日本語能力を落とさないためにもこの場所は大切です。
 脳にとってのアクセント、スパイスを少しきかせる生活がブログのお蔭でできています。

Monty Python's SPAMALOT

2007-04-16 | 日記
 ウインホテルで行われている、モンティ・パイソンのスパマロットを観に行きました。モンティ・パイソンとはイギリスのコメディグループで、“SPAMALOT”は彼らが製作したパロディ映画を舞台化したものです。この題名は伝説のアーサー王を描いた「キャメロット」と、オリジナル映画の歌詞の一部 「we eat ham and jam and SPAM A LOT」、たくさんのスパム、から来ているそうです。スパムは豚肉の缶詰の商品名です。
 物語はアーサー王と騎士たちが、神のお告げによって聖杯を探す旅に出るというものですが、全てがパロディ、コント、ギャグ、コメディーというようなもので終始笑わせるものでした。これはオリジナルブロードウェイミュージカルということですが、ドライブスルーのウエディングなど出てくるところをみると、どうもラスベガスのためにアレンジしてあるようです。
 役者のみなさんそれぞれ個性があっておもしろかったです。とにかく笑いました。
 
 ちなみに迷惑メールを“SPAM”というのもこのコメディーグループのコント、レストランで注文をしようとすると「スパム、スパム、スパム。」と何度も言われ、仕方なくスパムを頼むというものからきているそうで、スパムの連呼と多量に送られる迷惑メールと関連付けて言われるようになったそうです。

ソフトボール

2007-04-15 | 日記
 ソフトボール大会があるというので行くことにしました。掲示を再確認し忘れたので、どういう状況になっているのかほとんどわからず、とりあえず会場の公園に行ってみました。初めて行くその公園はとても広く、14番といわれた野球場を探すのも大変でした。公園内を車を走らせてみたものの、わからないので駐車してみると、そこに7番の野球場を見つけ、なんとなく「あっち。」と思ったほうに歩いて行ってみると14番の野球場があり、見慣れた顔が見られました。
 フェンスにへばりつき、すでに始まっている試合を観戦しました。選手はステージマネージャー一人を除き全て男性のステージテクニシャン。いつも黒い服をまとっている彼らが思い思いの服を着ていて、それを見るだけでもなんだか楽しかったです。
 ステージテクニシャンの中には元アーティストという人もいて、仕事の合間にトレーニングルームでトレーニングをするような人もいます。だから筋肉も今だにがっちりしているのですが、ソフトボールとなるとまた違う能力のようです。自分が勝手に「この人上手そう。」と思うのと実際に見られるものとの違いがたくさんあり、そのギャップがまたおもしろかったです。
 日本の野球を観たときとアメリカのベースボールを観たときと、一番違いを感じたのが打席に立った選手の構え方でした。見慣れていないだけかもしれませんが、アメリカの選手は日本の選手よりいろいろな構え方をしていたような気がしました。それが今日も見られました。「そんな構え方したら打ちにくいでしょ。」と思わず独り言。
 実は行く前から試合に参加したいと思っていましたが、見ているうちにその気持ちはもっと強くなりました。「それぐらいでよければ私も役立てるかも。」
 私には兄が二人いて、子供の頃、よく彼らの友達に交ざって遊びました。ロクムシや逃げムシは大好きでした。父もよく遊んでくれてキャッチボールもしたものです。高校のときは昼休みに強肩の持ち主とキャッチボールをして遊んだりもしました。彼女のボールがビシッとグラブに収まり、手まで響く感覚が好きでした。
 観ているうちに「やる?」と声が掛かるようになりました。はじめのうちは冗談で言われているのがわかり、やりたい気持ちを抑えながら「ノー。」と言っていました。そのうちに帰る人なども現れて、ついに打席に入ることになりました。来ていたアーティストは私だけ。私が“仕事”をしているところしか見たことのないステージテクニシャンたちの興味は自然に集まります。普段のノリコのイメージ、誰も期待していないその視線。
 久しぶりにバットを持ち、みなの視線を感じながら、少々緊張気味で打席に立ちました。
 第一球目、「カーン。」
 ヒットで一塁に。続く選手がまたヒットで二塁に。そしてついには二塁から一気に本塁まで走ることに。なんと楽しいことでしょう。
 「守備もする?」きっとしないだろうと思いながら聞いてくれていることを感じながら「イエス。」外野につきました。センター。
 これがまた、ボールが飛んでくるんです。私は取りそこなった選手のカバーをして二塁まで返球。ソフトボールを投げたのは10年ぐらいぶりのことなのに遠くまでコントロールよく飛びました。次はセンターフライ。残念ながら追いつけなかったものの、すぐに拾って返球。そして3アウト。
 みなさんにとって意外なノリコの姿に大喜びしていただきました。
 二打席二安打が今日の成績。とても楽しいひとときでした。


 写真は公園にあったブラシの木です。

10:11

2007-04-14 | KA
 久しぶりにチケットを買いに行きました。チケット代に10%の税金が掛かるようになったことをすっかり忘れていました。高いチケットの10%は大きいです。日本からこれを観るためにいらしてくださるみなさんを改めてありがたいと思いました。

 KAを何度も観ている友人と以前話したとき「え、衣装替えしているの。」と言われたことがあります。一番初めのアイディアは、双子の男の子に恋をして舞台の上で衣装が替わるというものでした。それが出来るように衣装は何度も何度も試作され、ようやく出来上がったのに、他の問題が持ち上がり、舞台上での衣装替えはなくなりました。今は更衣室で着替えています。
 着替えが終わると、フルートを2本持ち、水と上着を持ち、フルートのすべり具合を調節する粉を持ってトレーニングルームに向かいます。
 その粉を引き出しから取り出すときに携帯電話の時間が目に入ったことがあります。10:11でした。別に気にしていたわけではないのですが、次に目に入ったときも10:11でした。それから何度か同じ事が続き、同じ時間を目にしないと不安になりそうな気さえしてきて、最近は粉を引き出しから机の上に出しておくようにしていました。
 今日もいつものように衣装を着替えて持つものを持って出掛けようとしたとき、粉が机の上にないことに気付きました。引き出しを開けるのを一瞬ためらい、でも必要なことなので恐る恐る引き出しをあけると『10:11』。ちっぽけな私の心を助けてくれました。

まん丸の眼

2007-04-13 | KA
 自分のことしか考えていなかった昨日の自分を省みて、DVDを観てみました。ショーは毎日毎回録画され、全て保存されているのでこういうことが出来ます。ゲイルに言われた通り、力強かったです。ついでに気付いたことがあったので、今日はもっと大事に踊ることが出来たような気がします。

 影絵が終わって走り去るときに、声が掛かりました。歌舞伎で屋号を言われているような、そんな感じでした。私しかいないときでしたので、私にだとは思いますが、何と言われたのかはわかりません。このショーの途中で声を掛けるというのは、私でしたらかなり勇気のいることです。

 今日のカツラは新しく、結わかれていない部分が長く、多く、顔に絡まってきて目を隠しました。一瞬はっとしましたがフルートは私の手の中に入ってきてくれました。

 ショーの最後に見られる子供たちの顔は大人とは違います。ショーが終わってもまだそこに入り込んでいるような顔をしています。だから拍手をしている子供の姿を見ることはあまりありません。今日も眼をまん丸に見開いたたくさんの子供たちの顔を見られました。

悔しい

2007-04-12 | KA
 あれから心は落ち着き、いつもの状態に戻っていました。ただ彼に対してはまだ“恐れ”が残っているのはわかっていました。今日彼に言われたことは決して悪いことではないのに、前のことが思い出されてしまい、少し心が乱れました。
 心情が演技に出やすいことは良くわかっていることなので、自分の心をいつもいい状態にしておきたいと思っています。だから、それからの本番までの短い間にどうにかしないと、と思いました。そしてそれが出来たと思っていました。

 演技を終え階段を駆け上がりながら叫びたいぐらいでした。それを抑えて言った言葉。
「悔しい。」
 彼に負けたような気がしました。

 すぐに乳母役のゲイルに会いました。
「今日は観ていたわよ。きれいだったわよ。でもいつもより力強い気がしたけど…。」
 心を観られている。読まれている。
 心落ち着かせられたと思っていたのだけれど、いい状態ではじめられたと思っていたのだけれど、心の奥底にあるものは本当はまだそこに残っていたようです。

「悔しい。」
 彼に負けたと考えたこと自体に。人間が小さすぎる。

「悔しい。」
 悔しいと思うこと自体が悔しい。そしてまた

「悔しい。」
 人間できていないな。

 帰り道、ゆるい坂道、上り坂。自転車を立ち漕ぎしてもなかなか進まない向かい風は人間を叩き直してくれているようでした。

ふと

2007-04-11 | KA
 難しいことをしているとか簡単なことをしているとかそういうことではなく、すべきことに集中して、その時ある自分の全てを捧げられる瞬間が、日々の生活の中であるということは素敵なことだと、踊り終わってふと思いました。

 涙を流しながら子供のことを撫でているお母さんの姿を、最後のお辞儀で間近に見ることができました。自分が感動したというより、この感動を子供に味わわせることが出来たという感動のように思えました。
 
 素敵な暮らしをさせていただいています。