僕はもう30年近く、波乗りをしています。
地元・西湘で波がないと、東へと遠征します。
辻堂、鵠沼とともに、よく遠征するのが七里ガ浜です。
134号線沿いには西湘にはお目にかかれない人気のお店、オシャレなお店が立ち並んでいます。
・・・まさかこのシャレオツな七里ガ浜に、長く大切に守られてきたご霊跡があるとは知りませんでした。
七里ガ浜にそそぐ川沿いの道に、お題目の石柱があります。

「行合川」
そう、この川もある意味、龍ノ口の法難にまつわるご霊跡らしいんですね。
詳しくはまた別の機会に調べたいと思います。

「本所」?
東京都墨田区のかな?
ま、よくわかんないけど、いいか(笑)
上流に進みましょう。
・・・また石柱があったぞ。

おお、「日蓮聖人雨乞霊跡道」。
隣にちっちゃいお社も。
ご霊跡は近そうだぞ!
ここで行合川を渡ります。


「雨乞橋」っていうそうです。
演歌の題名にありそうな・・・

奥地に入ってきました。
とてもあのハイセンスな七里ガ浜とは思えない、のどか~な風景です。
あれ?池だ!!

これが日蓮聖人と良観房忍性が雨乞い対決をしたという「田辺が池」でしょうか。
そういえば奥に何か屋根が見えます。


間違ってなかった!ここが田辺が池です。

昔はこの辺を「金洗沢」って言ったそうです。
しかし鎌倉界隈には随所にこの「鎌倉友青会」が建てた石碑がありますね~。
わかりやすく説明を入れてくれてます。

お、門が見えてきたぞ。
ここが雨乞いのご霊跡、「霊光寺」です。

山号は「龍王山」です。
龍・・・なんか龍にまつわる逸話でも・・・!?

境内からさきほどの田辺が池のほとりに出られます。
冬場の朝だったので、池は凍っていました。

池のまわりは一周できるように整備されています。

「蛇枕龍神」の宝塔のようです。

ここにも龍が!!

八大龍王を祀るお社がありました。
八大龍王は水の神様のようです。
文永8(1271)年の大干ばつの時に、幕府は極楽寺の良観房忍性に雨乞いの祈祷を命じました。
僕が先日訪れた霊山の逸話と似ていますが・・・この年の干ばつはひどかったんでしょうね。あちこちで祈祷があったんでしょう。
やはりここでも、忍性が祈祷しても一滴も降らなかった雨が、日蓮聖人が祈祷するや降りだし、人々は驚いたそうです。
日蓮聖人が祈祷されている時に八大龍王が現れ、その力もあって雨が降ってきたといいます。
龍口寺といい、江の島といい、この近くは龍がらみの場所が多いですね!

丘を登る参道があります。
坂の途中に古い石碑がたくさん

毛塚塔
ふさふさになるんでしょうか?

風の神 ・・・風神様?

妙法大六天魔王
これは聞いたことがある。大六天魔王は信者を仏教から遠ざける魔王なんだけど、日蓮宗では、強い信仰を持つ修験者については逆に守ってくれる存在とされているみたいですよ。
そして・・・ついに!!!

これが雨乞いのお題目を唱えている日蓮聖人のお姿、そしてここが実際に祈祷された場所のようです。

僕もいろんなお寺のいろんな表情の日蓮聖人像を見てきましたが、この像はホント、精悍なお顔をしていらっしゃいます。
多分、体力的にもいちばん脂の乗った時だったんじゃないでしょうか。

「日蓮聖人祈雨銅像再建之記銘」・・・再建?

なになに?
先代の銅像は太平洋戦争時に供出されてしまったそうです。でも不思議なことに戦後、お首から上の部分だけはお還りになったそうです。そして昭和40年、念願の再建を果たしたようですね。
ここからは僕の推測ですが、供出された銅像を分解する過程で、作業員に法華経の篤い信者がいたんじゃないでしょうか。お首から上がお還りになったのは単なる偶然ではなく、命がけでお首だけでも、守ってくれた名もない作業員がいたのだと、勝手に想像しちゃいました!
いや~、見どころ満載、もうおなかいっぱいですが、本堂を見ていませんでした~

山の尾根みたいな参道を進むと・・・

本堂です。

漆喰で龍の塑像がありました。見事です!

まわりはこんな深い谷。
七里ガ浜にあって、人工物が一切見当たりません。
日蓮聖人が御祈祷されたときと似たような風景だったら嬉しいです。
思わぬ場所にある素晴らしいご霊跡!
訪問できて良かったです!!!
おまけ

亀さんをお祀りする碑がありましたよ!
亀は何かの神様なのかな?
それにしても上の石柱がマジ重そう(泣)