山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

暮れはつる尾花がもとの思ひ草‥‥

2006-10-20 14:13:51 | 文化・芸術
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-世間虚仮- 今朝の見出し

◇北朝鮮核実験、金総書記に中止要請-訪朝の唐国務委員(前外相)が中国胡錦涛国家主席の意向伝達

◇対北朝鮮制裁、日米と韓 溝埋まらず-日米韓外相会談、ライス米国務長官・麻生外相と韓国外交通商相

◇ディープから薬物、凱旋門3着取り消しも
10/1のパリ凱旋門賞レースで3着だったディープインパクトが欧州競馬で禁止されている薬物反応があったとされ、失格・賞金返還となるもよう。


◇ソニー、電池回収に510億円-3月期予想、営業利益800億円減
過熱・発火事故を起こしたリチウムイオン電池の回収が、最終的に約960万個に達する見込み。


-序でにわたくしごと-
昨年10月だったか、Tu-Kaのauへの吸収合併で、今年になってからうるさいほど再々にわたってauへの変更手続を迫る書面や電話攻撃にさらされてきたが、昨日ようやく重い腰をあげて近所のau店で手続完了。新機種に変わってネット接続もOKになったものの、お蔭で1万円ほどの出費だから、日進月歩の多機能などとんと関わりござらぬ身にはとんだ災難。


<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>

<秋-75>
 暮れはつる尾花がもとの思ひ草はかなの野べの露のよすがや  俊成女

俊成卿女家集、北山三十首、恋。
邦雄曰く、藻を靡かせて花野を奔るような律調、初句の響の強さはもとより下句の「の」を重ねて、弾み転ぶ調べに、建保期、承久前の、40代半ばと思われる作者の、衰えぬ力量をまざまざと見る。しかもこの歌の真意は、「露のよすが」さながらに頼みにならぬ思い人への、婉曲な託言である。「思ひ草」は寄生植物の南蛮煙管とする説が有力とも聞く、と。


 ふけわたる月もうらがれの草の葉に影よりむすぶ秋の初霜  邦輔親王

邦輔親王集、秋霜。
邦雄曰く、16世紀中葉の、ほとんど爛熟期を過ぎたかと思う和歌の、典型的な一例であろう。第二句から第四句の複雑な、言葉の陰翳の重なり縺れる姿、「月もうらがれの」「影より結ぶ」は、一首に2箇所の秀句表現とも言おうか。殊に第二句一音の余剰のゆらめきは、幽玄のルネサンスかとさえ思う。やや時代のついた水墨の晩秋花園を見る感あり、と。


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