山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

降り晴るる朝けの空はのどかにて‥‥

2007-01-02 20:04:00 | 文化・芸術
Ichibun9811270931

-四方のたより- 新年のごあいさつ

十干十二支ひとめぐりして吾は三歳の幼な児なりき

  恙なく新しい年を迎えられたでしょうか
  本年もご高配のほど宜しくお願い致します


「貧困の世襲化」
毎日新聞12月29日付「記者の目」欄
「06年に一言」連載にあった見出し語
我が意を得たり、と膝叩く思いがした
政治家たちと高級官僚たちによる、この国の舵取りは
洪水神話の方舟のごとく、いたずらに明日なき漂流をするか


 ぼくらが、ぼくら自身の表象世界において
 何十年もこのかたずっと、そして此の後もずっと
 明日をも見えぬ漂流を、ただひたすら続けてゆくのとは
 訳が違うだろう、というものだ


凝れば妙あり、といい
また、凝っては思案に能はず、という
されば、思案の外に、妙を温ねむか


    平成19(2007)年 丁亥元旦    四方館亭主


<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>

<冬-35>
 山川の氷も薄き水の面にむらむらつもる今朝の初雪  順徳院

続拾遺集、冬、百首の歌よませ給うけるに。
邦雄曰く、単に川に張った氷の表面に降る雪ではなくて、結氷しつつある危うく怪しい薄氷の上に、溶けつつ降り積もる雪。「むらむらつもる」は、むら消えしつつ積る感だ。「初雪」であることも生きてくる。家集、紫禁和歌草では二百首歌の中に見え、満19歳の製作と覚しい。後鳥羽院に勝るとも劣らぬ早熟の天才であることは、この作にも明白である、と。


 降り晴るる朝けの空はのどかにて日影に落つる木々の白雪  覚誉法親王

風雅集、冬、朝雪を。
邦雄曰く、まことに克明で周到な描写、殊に上句は危うくくだくだしくなる寸前まで来ている。「降り晴る」とは、一時降って後ただちに晴れ上がることである。この一首、第四句「日影に落つる」で、わずからゆるんで梢の雪が、ひととき光りつつ崩れ落ちるさまが浮かんでくる。作者は花園帝第2皇子、聖護院門跡、風雅集入選5首、勅撰入集は計29首、と。


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