-表象の森- 脳と記憶のしくみ
年が明けて今日まで、図書館からの借本はまだない。
-今月の購入本-
「Newton 2月号/2007」ニュートンプレス
「Newton」2月号は脳科学の最前線から「脳のニューロンと記憶のしくみ」の特集に惹かれて。
船橋洋一「ザ・ペニンシュラ・クェスチョン」朝日新聞社
朝鮮半島第二次核危機と副題された「ザ・ペニンシュラ・クェスチョン」は外交・国際ジャーナリスト船橋洋一のノンフィクションリポート。02年の小泉訪朝から六者協議の内幕、北朝鮮をめぐる日米韓中ロの外交駆引きの裏舞台が活写される大部の著。
熊野純彦「西洋哲学史-古代から中世へ」岩波新書
々 「西洋哲学史-近代から現代へ」 々
「読んでおもしろい哲学入門書」と評判の岩波新書「西洋哲学史」は柔らかな叙述のなかに先人たちの魅力的な原テクストを散りばめつつ書き継がれる、廣末渉をして「お前は詐欺師だよ」と言わしめた熊野純彦の著。
M.フーコー「フーコー・コレクション-フーコー・ガイドブック」ちくま学芸文庫
フーコー・コレクションシリーズの番外編「フーコー・ガイドブック」は主要著書の解説と11編の講義要旨と詳細な年譜を収録している。
シェイクスピア/安西徹雄訳「リア王」光文社文庫
古典新訳シリーズ光文社文庫版「リア王」の翻訳者安西徹雄は、演劇集団「円」の演出家でもあり、実践家の眼が生きた新訳。
V.ナボコフ/若島正「ロリータ」新潮文庫
若島正による新訳「ロリータ」も一部の評者には06年の収穫として高い評価を受けている。
清岡卓行「アカシアの大連」講談社文芸文庫
昨年6月、鬼籍の人となった詩人清岡卓行の小説「アカシアの大連」、この文庫版には初期の「朝の悲しみ」「アカシアの大連」と「初冬の大連」他3つの短編からなる「大連小景集」が収録されている。
<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>
<冬-41>
契りてし今宵過せるわれならでなど消えかへる今朝の泡雪 藤原伊尹
一条摂政御集、おはせむとての夜、さもあらねば、翌朝、おとど。
邦雄曰く、あるいは今宵を共にと期待していた人と、ついに逢わずに明けたその翌朝、ほろ苦い思いを噛みしめて歌を贈った。泡雪に類えた相手は当意即妙に、「降る雪はとけずや凍る寒ければ爪木伐るよと言ひにしものを」と返歌する。謙徳公は絶世の美男、風流人で殊に色を好み、太政大臣になった翌年、48歳で世を去った。勅撰入集歌38首、と。
道にあひて咲(エ)まししからに降る雪の消ぬがに恋ふとふ吾妹 聖武天皇
万葉集、巻四、相聞、酒人女王を思ひます御製歌一首。
邦雄曰く、穂積皇子の孫、酒人女王の、愛の告白を反芻しつつ、莞爾として、思はず高らかに歌った趣、読む者もまた微笑を誘われる。天皇が行きずりに笑みかけただけなのに、消え入るほどに恥じらい、夢うつつの風情、可愛さに「吾妹!」と呼びかけて、面影に手をさしのべたいと、一首の後にも言葉の溢れる感がある。相聞中でも出色の一首である、と。
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