山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

枯山越えてまた枯山

2010-04-22 17:05:21 | 文化・芸術
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-世間虚仮- 4月穀雨の雪

郡山で雪が降る、とニユース映像が流れる。
強い寒気と低気圧などの影響で、福島県内は郡山市や白河市などで朝から雪が降っている。気温も上がらず午前11時々点、郡山市で0°4、白河市で0°6など真冬並みの寒さ、白河では11時現在3㎝の積雪を観測したらしい。東北山間部でも各地で雪だという。

昨今の異常気象つづきに、さして驚きもしなくなった自分自身に、ニュースを聞きながら、ふと思いが走った。

―山頭火の一句― 行乞記再び -39-
1月31日、曇、歩行4里、嬉野温泉、朝日屋

一気にここまで来た、行乞3時間。
宿は新湯の傍、なかなかよい、よいだけ客が多いのでうるさい。
飲んだ、たらふく飲んだ、造酒屋が2軒ある、どちらの酒もよろしい、酒銘「一人娘」「虎の児」。
湧出量が豊富だ-武雄には自宅温泉はないのにここには方々にある-温度も高い、安くて明るい、普通湯は2銭だが、宿から湯札を貰へば1銭だ。
茶の生産地だけあつて、茶畑が多い、茶の花のさみしいこと。

嬉野はうれしいの-神功皇后のお言葉-。
休みすぎた、だらけた、一句も生れない。
ぐつすり寝た、アルコールと入浴とのおかげで、しかし、もつと、もつと、しつかりしなければならない。

※表題句は、1月26日記載の句

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Photo/嬉野温泉、シーボルトの足湯

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Photo/井手酒造-2軒あったという造酒屋は1軒残るのみ

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Photo/その店の軒先にある山頭火の記念碑

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しんじつ玄海の舟が浮いてゐる

2010-04-22 06:20:42 | 文化・芸術
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※表題句は1月25日記載の句

-表象の森- 清代諸家-古代への憧憬-2
石川九楊編「書の宇宙-22」より

伊秉綬-イヘイジュ-は、石如ほど秦漢の文字の再現に満ち足りることはなく、むしろ、金農の後継者でもあるがごとくに、篆書とも隷書とも楷書ともつかぬ独創的な、これまた表現上のスケールの大きな書を残している。それだけにとどまらず、その篆書や隷書の書法は、伊秉綬の行書体や草書体の書の中にも環流し、これまたきわめて特異な行草書を残している。

・伊秉綬「魏舒伝節録」
文字の造型の奇抜さは隷書文語ほどではないが、文字を歴史的な規範に従って書くだけではなく、直線と曲線、○や△や□や×という図形的な視点から捉え返し、描き出す試みが生じている。<飮><酒><山><事>の一部に角を削いだ曲線的表現が見られ、<爲>や<漁>の点に○が、<飮><酒>の一部に△が、<酒>や<石>や<漁>に□を意識したと思われる表現。文字を幾何学的な図形のようなものとして見る視点の獲得によって、従来の書と異なった奇抜な造型が生じている。

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/飮酒石餘。著/韋衣。入山澤。/爲漁獵事。

・伊秉綬「行書戒語」
横画を水平にした、素朴なとぼけた味わい。<其芳><積金><積徳>作為的な筆画の連続も不思議な味を生む。伊秉綬のこの構成法は、長く東アジアに君臨してきた王羲之の集字聖教序の規範から脱している。この書は篆書や隷書の復興にとどまらず、行草書までもが王羲之の範を脱したことを宣言する、革命的な行草書である。もはや蛇行線の図形のごとき<遂>の辶部、篆書体を草書体のごとき筆蝕で書いた<與>など、見所である。

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/水之源遠。其流不竭。木之根/遂。其芳不歇。積金與子孫。不/如積徳。


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