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―表象の森―言の葉/宮本常一
「日本人にとっての未来は子供であった。自らの志がおこなえなければ、子供にこれを具現してもらおうとする意 欲があった。子供たちにも、またけなげな心構えと努力があった。」/日本の子供たち-1957-
「歩きはじめると歩けるところまで歩いた。そうした旅には知人のいることは少ない。だから旅に出て最初によい人に出会うまでは全く心が重い。しかし一日も歩いているときつとよい人に出会う。そしてその人の家に泊めてもらう。その人によって次にゆくべきところがきまる。」/民俗学の旅-1978-
「日本の村々をあるいて見ると、意外なほどその若い時代に、奔放な旅をした経験を持った者が多い。村人たちはあれは世間師だといっている。
明治から大正、昭和の前半にいたる間、どの村にもこのような世間師が少なからずいた。それが、村を新しくしていくためのささやかな方向づけをしたことは見のがせない。いずれも自ら進んでそういう役を買って出る。政府や学校が指導したものではなかった。」/忘れられた日本人-1960-
―山頭火の一句― 行乞記再び -78-
3月19日、お彼岸日和、うららかなことである、滞在。
今朝は出立するつもりだつたが、遊べる時に遊べる処で遊ぶつもりで、湯に入つたり、酒を飲んだり、歩いたり話したり。
夢を見た、父の夢、弟の夢、そして敗残没落の夢である、寂しいとも悲しいとも何ともいへない夢だ。
終日、主人及老遍路さんと話す、日本一たつしやな爺さんの話、生きた魚をたたき殺す話などは、人間性の実話的表現として興味が深かつた。
元寛君からの手紙を受取る、ありがたかつた、同時にはづかしかつた。
※句作なし、表題句は前日付記載
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Photo/嬉野温泉全景
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Photo/温泉名物の湯豆腐
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