里の部屋

日々思ったことを綴っていこうと思います。

長男の誕生日

2016年01月26日 | 日々のつぶやき
今日は、我が家の長男の誕生日です。

前日(25日)の夕方に、どうも異変を感じ、病院へ行った方がいいのかなぁと考えていました。

主人が、勤務から帰って来たので、「どうもおかしい」と告げると、「すぐ病院へ行こう」と言う事になり、一応病院のほうへも連絡をいれ、夕食の用意も出来ていたのですが、食べずに、病院へ連れて行ってもらいました。

その日は、勿論もう病院の先生方は、勤務を終えて自宅へ帰られており、その日の当直医は、整形外科の先生でした。

私が病院へ着いてから、その夜の緊急呼び出され当番に当っていた産婦人科の先生を呼び出されました。

その先生が病院へ来られる直前に、もう一人の生まれそうな妊婦さんが飛び込んで来られました。

緊急呼び出しを受けた先生が、病院へ到着後、すぐに私ともう一人の妊婦さんを診て、この方の方が先に出そうだと言う事で、先ず分娩室へ入られました。

その間、私は特別室で待機していました。

その時、看護婦さんが、2.3回様子を見に来て下さっていました。

さきに分娩室に入られた方が、無事に終わり、やっと看護婦さんが私を迎えに来て下さり、いよいよだなと覚悟しました。

分娩室に入るとすぐに、先生が、「さぁ、頑張って立派な男の子を生むんだよ」と言われました。

この先生には、今までの外来では、一度も診察して貰っていないのに、「立派な男の子を生むんだよ」と言われたのは、カルテに男の子と言う事が書かれていたのかなと思いました。

今でこそ、お腹の中にいる間に聴けば、男の子か女の子かを教えて頂けますが、当時は、「解っているのですが、言ってはならないことになっていますので」・・・と言う事で教えて貰う事は出来ませんでした。

でも、私は、何となく男の子だと確信に近い思いを持っていました。

何しろ、活発にお腹の形が変わるほど、グニャグニャと気持ち悪いほど動きまくりましたので。


病院の勤務時間が終わった後で、飛び込みの出産があった時は、この病院には、看護学校もありますので、その看護学生さんが、飛び込みの出産があるたびに、順番で、一回の分娩者に5人づつが、実習生として立ち合われます。

私の時にその立ち合に来られていた看護学生さんの一人が、私の頭の上あたりで、立っておられて、ずっと私の顔の汗を拭いて下さっていました。

先生が、「もう出るよ、もう出るよ、頭が見えて来たからね」と言われました。

本当にすぐに出て来ました。

そして、私は、今スルッと出たのに、泣かないの?と思いました。

何か、クシュン、クシュンと言っていました。

先生が、スポイドか何かで赤ちゃんの口の中を吸い取っておられるようでした。

すると、それに嫌がって反抗するかのような大きな声で泣きました。

あぁ、ヤレヤレと言う気になりました。

そして、先生が、「生まれたよ」と片手で赤ちゃんを持って、高くあげて私に見えるように見せて下さいました。

私は、震える声で、「ありがとうございました」と言うのが精いっぱいでした。

私の頭の上の方に立って、ずっと私の顔の汗を拭いて下さっていた看護学生の方も、「おめでとうございます。一緒に頑張りました」と言って下さいました。

その言葉を聞いた時、私は、その看護学生さんの顔を初めて見て、「ありがとうございました」と言えたのですが、その方の顔を見てビックリしました。

若く、未だ少しあどけなさが残るような顔立ちでしたが、汗と涙で、グシャグシャになっておられました。

私の汗は、ずっと拭き続けて下さっていたのに、ご自分の汗と涙は拭かずに、私と一緒に頑張って下さったんだと解り、感謝と感動の涙が、又私にあふれました。

あの時の感動の涙は、一生忘れることはないと思っています。

長男は、25日の夜に病院へ行きましたが、産声を上げたのは、26日の0時08分でした。


生まれた子をはじめ、沢山の人にお世話になり、みんな、みんな明るい未来にいい花が咲きますように、祈りを込めてお琴の曲、「未来花」を贈りたいと思います。


地唄箏曲美緒野会 - 未来花  MIONOKAI - Miraika 2015/01/02_2