あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

愛と悪 第七十章

2021-01-06 17:16:03 | 
天にいるきみは、三股の麓へ。エホバ。
砂漠へ向かう全てに対して、グッド・バイ。
そして独りで、砂漠へ向かう。
別々の太陽へ、水平の波を削りながら血迷う在りし日の綻び。
彼は今日死んだが、明日は眠っていて、昨日は生まれる。
君が夕べ、削ぎ落とした者たち。
自由の果てで、善悪を喪う。
夜が終り、何もなくなる。
君は殺される為だけに、生まれた。
偽善者たちよ。
君は愛されないまま、死ぬ。
荒野の果てに、父と母と子の交わりの悪夢のなか。
今日望んだ者たちは死に、明日求む者たちに、栄光の、ファラリスの雄牛を。
夜が終り、誰も彼も、夜を失う。
まだらに溶け合い、肉と灰が、ひとつの絵を描く。
それを観た一人の芸術家が、自分を殺す。
美しい陽溜まりのなか、枯葉が彼を覆う。
風は音を拒み、静かな夕闇がそっと彼を撫でる。
消えかける日が、最後の言葉を拾う。
際限なく、我らに、悲しみを与え給え。
あなたの憬れどおりに、わたしは死を装う。



















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