ボストン現地レポート 教育に関連した話題を現地から

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ボーディングスクールの卒業式

2013年06月11日 | アメリカの高校留学
最近、ボストン周辺では天候が不安定ですが、先週の土曜日の卒業式はさわやかに晴れてくれました。

小さい学校で存在し続けることを学校運営の哲学としている、あるボーディングスクールに日本から2年半留学されていた生徒さんが、無事に卒業しました。
彼は、地方の、非常に競争の激しい受験校である日本の公立高校出身です。

このボーディングスクールは、4学年全体の生徒数が100名足らずの学校です。全米のリベラルアーツカレッジのランキングで、常に1位または2位にランキングされる非常に優秀な大学のそばにあります。今年退任された校長先生や、教師の中に、この大学出身者が少なくありません。

この生徒さんは、数学がとてもできる生徒さんで、この高校で微分積分のアドバンスクラスを選択した後、なんとこの優秀な大学で数学の授業を受講していました。高校から大学へ交渉してくださり、この生徒さんと、やはり数学が天才的にできる!という中国出身の生徒さん二人で、徒歩で大学キャンパスに通い、大学生たちといっしょに数学の授業に参加していました。徒歩で20分はかかる距離を、冬は雪も降る中、よく頑張りました。その結果、大学受験の際は、この大学の数学の教授からも推薦状を書いていただいたのです。9月からNYの大学に進学しますが、数学の勉強を大学でも続けたいそうです。数学を極めれば、天文学にいってしまいそうですが、天文学にも小さいころから興味があるそうです。

この生徒さんと、数学について話をしたときに、「この学校では、微分積分の授業も、時には自然の豊かなキャンパスを歩きながら、なんてこともあるんです。」と聞きました。少人数の学校ですので、ときには教師と生徒と1対1という授業もあるそうです。カフェテリアは、バークシャー地方の山の景色が見渡せる大きな窓のある素晴らしい空間ですが、ここに教師、生徒全員が集まって、まるで大きな家族のようにいっしょに食事をし、ミーティングなどをします。壁には、この学校が力を入れているアートのクラスで生徒たちが創作した、アートの作品が飾られています。

この学校を訪れるたびに、自分も、思春期の多感な時期に、親元を離れてこのような環境で勉強し、寮生活を送っていたら。。。とついつい思わずにはいられない魅力ある環境です。

生徒と教師はファーストネームで呼び合います。日本から到着して間もなくは、日本人生徒さんたちはみんな戸惑うのですが、時間が経つにつれ、素直にファーストネームで呼び合える、実に密接な信頼関係が教師たちと築けるのだそうです。

私がこの学校を初めて訪問したのは、10年前ほど前でした。キャンパスツアーをしてくれたアメリカ人の在校生に、「どうしてこの学校に入学することに決めたの?」と尋ねたところ、「この学校はGenuine-本物・誠実だと思ったから。」との答えが帰ってきたことが、強い印象に残っています。その後、5人の生徒さんたちを、日本からこの学校へ送り出しました。もちろん、それぞれの生徒さんのバックグランド、性格、興味のあること、進路、目指しているものは異なりますが、それぞれの生徒さんと話す機会があるたびに、口をそろえて言ってくれることが「生徒と教師の信頼関係が本物。」ということです。

卒業式もドレスコードなどは無いのですが、下級生は卒業生への尊敬の気持をこめて、男子生徒はネクタイやジャケット着用、女子生徒はドレス着用です。そして、卒業生は、それぞれ自分の好きな服装をします。私の生徒さんは、羽織袴でした!そして、卒業生のひとりとして、立派にスピーチをしてくれました。テーマは、人と人との出会いということでした。この学校との出会いに感謝するとともに、学校を後にすることはとても辛いのでしょう。これから、アメリカの大学進学という新しいアドベンチャーがスタートしますが、この学校での出会いによって得られた糧と自信があれば、きっとこれからも大丈夫!Better Personに一歩、一歩、近づいていくことでしょう。嬉しいハッピーな日でした。







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