本日は、先日を参加後の感想をご紹介しました高校生の生徒さんが学校の課題で書いたエッセイをご紹介します。お母さまが送って下さいました。以下、原文のままご紹介します!
私は今年の夏をアメリカ東海岸のカナダとの国境に近いメイン州というところで世界中のティーンネイジャーが集うサマーキャンプに参加して過ごした。アメリカのキャンプに参加するのは3回目だったがコロナ禍以降初めてだったこともあり、行く前は若干の不安や緊張があった。13時間のフライトを経てボストンのローガン空港に降り立つと、夜だったこともあって日本の猛暑とは打って変わって震えるほどの冷たい風に襲われて驚いた。空港からバスでキャンプに着いたときには成田空港を出発して約17時間が経っていた。震えながら眠りキャンプ生活がスタートした。
私のキャビンではアメリカ人、フランス人、オランダ人と自分の11名がオーストラリア人のカウンセラーと共に共同生活を送った。英語ネイティブな人も、そうでない人もいて英語力は様々だったが、一緒に生活しコミュニケーションを取るのには全く困ることはなく、すぐに打ち解けて仲良くなることができた。最初に面白いと感じたのはフランス人のユーモアについてだ。彼らのユーモアは結構辛辣だったり、ひねりが効いていて理解するのに時間がかかることもあったが、頭の回転が速くとてもセンスが良いのだ。悪ノリをすることも多く、エレガントな国民性のイメージを持っていたがよくしゃべり感情表現の豊かな人間味のある面が見られて面白かった。日本人の自分とは考え方にも大きな違いがあり異なる文化を体験することができた。
次に、日本ではなかなか経験できないキャンプでのアクティビティーについて書こうと思う。私が一番力を入れたことは日本でも練習しているエレキギターで、海外の人とセッションしてみたくてギターレッスンを欠かさず選択した。教えてくれたのは音楽学校に通っているイギリス人の20歳のカウンセラーだった。ギターのクラスを取っている生徒は少なく、ほぼプライベートレッスンのような恵まれた環境で練習することができた。希望を聞かれ、ブルースとスケールを学びたいと伝えると、映画”バックトゥザフューチャー”の中で主人公が演奏するシーンで有名なジョニービーグッドという曲を教えてくれた。スピードの速い曲なので最初は難しかったが、一週間でほぼ完成した。ちょうど完成したころに夜のプログラムでブルースナイトというイベントがあったので発表する機会を得た。本番では少しあせってしまい所々ミスをしたが百人以上いるキャンパー達がすごく盛り上がって聴いてくれたので最高の思い出となった。英語でギターを学ぶこともたくさんの人の前で演奏するのも初めての経験だったが、日本にいる時よりも自由に感情表現することができて終わってみると新しい自分に出会えたような、成長を感られる経験となった。
最後に、全体を通してこの夏をサマーキャンプで過ごすことができたのは大変意義深かった。キャンプにはアメリカ人が一番多く、海外からのメンバーはヨーロッパ、中東、アフリカ、オセアニアと多岐にわたっていた。日本ではルーツがミックスの方が珍しいがキャンプのメンバーではルーツを聞くと実に様々であり、見た目だけではわからなかった。そんな違いも全く問題になることは無く当たり前に受け入れあって、世界中から集まった仲間と朝から夜まで寝食を共にし、一緒に新しいことにチャレンジし、世界は広いけれど遠くはないと感じることができた。帰国した今、喪失感がとても大きいが、また始まる日常にキャンプで得た経験を生かして、広い世界に生きるひとりの人間として、更に一歩づつ成長していきたいと思う。