CGやグリーン・バック合成も多様されてはいるけれど、基本は演者皆さんのアクションにかかっている。
近代的テクノロジーと、昔ながらの肉体を使ったアクション、それと何よりも「アイデア」だよね、こういうシーンを撮りたい、観せたいという卓抜したアイデア。
そうしたものが一体となって、このような、ある意味笑える位の壮絶なアクション・シーンを生み出しているんだね。
どんなに技術が発達しようとも、最後は「人間」。
映画とは、創作とはそういうもの、ていうか
そういうもので、あって欲しい。
これからも、ずっと。
この映画のアクションはカットが長いと書きましたが、中でもとんでもなく長いシーンがあります。
およそ3分(印象)に及ぶ長回し。
ドローンを使ったと思われる、上からの俯瞰で撮った、壮絶なアクション・シーン。キアヌが移動しながら、敵を倒していくシーンを、上空から延々と撮り続けている。まあとんでもないシーン。
言うまでもなく長回しというのは、途中でNGを出したら最初から撮り直さなければならないわけで、かなり入念なリハーサルを重ねた上での撮影なのでしょう。これは度肝をぬかれましたね。
昔、松田優作主演、村川透監督による「遊戯」シリーズとか、『蘇る金狼』とか『野獣死すべし』とか、長回しで撮ったアクションが話題になったりしたけど、あれはあれで緊迫感があってそれなりに良かったけれど
映像の精度、アクションの完成度の高さでは、申し訳ないけどこちらの方が遥か上をいってる。
このシーンを観ていて強く思いましたよ。やはり最後は
「人間」なんだなと。
そうであり続けて欲しいと、
強く思いましたね。
技術の発展はこれまで見たことのないような映像を次々と披露してくれるようになりました。
でもやっぱり、一番大事なのは「人間」による「力」。
人間の力なしに、良い映画、面白い映画はあり得ない。
あり得ちゃいけない。
なんかね、そんなことを思ってしまった
そんな映画、でしたねえ。