こんな仲睦まじい夫婦から、どうやって「築山事件」を描くのか、お手並み拝見という感じでしたが、
成程、そう来たかい。
ちょっと強引な感じもしたけれど、まあ、現代的な展開ではあるかな。
この築山殿の一連の行動を通じて、家康は「戦国の世を終わらせるために生きる」ことを決意する、という展開なんだろう。
男性の行動原理には、傍にいる女性からの影響がかなり強く働く。これは「真理」だと思うんです。家康の天下取りには、築山殿の平和を希求した強い想いが原動力となっている。それを描くためにも
あの仲睦まじさは、必要だったと。
成程、だから信長や勝頼の周辺には、ほとんど女性が出てこないわけだ。彼らは戦って勝ち取るという「男性原理」のみで動く。特に勝頼はそう描かれてますね。
平和の世を築こうとする家康には、築山殿退場後も様々な女性が登場してきます。その女性たちの影響を受けながら、家康の行動の方向性が決まっていくという。そんな展開になるんじゃないかな。基本ね。
戦国の世を生きる女性の強さを描くには、こういう描き方しかないよね。このドラマは一応、主人公は徳川家康だけど、本当の主人公は戦国の世を必死に生き抜いた女性たちなんじゃなかろうか。
そんな気がする。
このドラマの信長って、一切暴力を振るわないんですよね。
強烈な圧を押し付けては来るけれど、殴ったり蹴ったりは一切しない。
せいぜい肩を強く叩くとか、五徳ちゃんの顔を手で覆っちゃったりとか、そこまでなんだよね。
これもパリコレ……じゃないポリコレって奴?
なんだか、めんどくせー世の中になっちまった。
だけどそれによってむしろ、信長を演じる岡田准一の演技者としての凄さが見えてきますね。あの目、全身から発せられる強烈な「圧」。暴力を振るわないからこそ、よりその怖さが際立っている。
岡田准一って、とんでもない役者ですよ。
それにしても、半年かけてやっと築山事件ですよ。展開が遅い!本能寺の変も秀吉の天下も朝鮮出兵もまだまだ先。
このままだと、関ケ原までも到達できるかどうか。
後半はかなり急ぎ足になる予感。大丈夫なのか?
まあとにかく、なんだかんだと観てしまうドラマではあるなあ。