「もしもし、諒?そんなに怒んないで…俺はともかく兄貴のこと嫌いにならないで…」
「あ、ああ。そんなことあるわけないじゃん」
真樹の懇願で我に返って諒は答えた。直人は、
「まずは須藤さんに俺言っとくよ。何かあってからじゃ遅いしケンちゃんも可哀想だから」
せっかくワンフロアがディスグラ一行で貸し切りなのに、興味本位の人間にうろうろされたのではたまらない。
特に今の麻也には気をつかわせたくない。
その夜は明日のライブに備えて、麻也と諒は食事も部屋でとったが…
宴会もなく、せっかく早く休めると、シャワーを浴びてすぐに諒がパジャマを引っ張り出したところだったのに…
「諒…」
「えっ? 麻也さん?」
(うーん、でも明日ライブなのに大丈夫なのかなあ…)
…でも、うつむいて目をそらしたはにかみ麻也たんは確かに諒の大好物で…
諒はまずベッドの上に座っている麻也をぎゅっと抱きしめた。
伝わってきたのは麻也の体はすっかり痩せ、力もなく、にも関わらず、諒という恋人を求めてきているというよりその行為を求めているらしいということだった。
その時、携帯が鳴った。
麻也のも、諒のも。
二台同時となれば、さすがに二人とも無視できなかった。これはかなりの緊急事態だ。
諒が取り上げて麻也に手渡すと、電話の主はどちらもマネージャーからだった。
―諒さん、明日の朝、私たちが迎えに行くまで部屋から出ないで下さい…
「何があったの、須藤さん?」
―あの…不審者っていうか、困った人が入りこんできたんです。
「はあ?」
―麻也さんには誰か伏せてほしいんですが、例の冬弥くんとあの女優さんです…
諒は電話を握ったまま、固まってしまった。しかし、麻也に感づかれてはいけないと…
…明るい声で答えた。
「うん。わかりました。じゃあ麻也さんといい子にしてる。朝はよろしくね」
と答えたものの、 自分を追いかけ回している人間が麻也とくつろぐ場所に入って来ているなんて…
「諒、どうしよう」
そう言いながらも眠そうな麻也の表情は可愛らしかった。
「あ、ああ。そんなことあるわけないじゃん」
真樹の懇願で我に返って諒は答えた。直人は、
「まずは須藤さんに俺言っとくよ。何かあってからじゃ遅いしケンちゃんも可哀想だから」
せっかくワンフロアがディスグラ一行で貸し切りなのに、興味本位の人間にうろうろされたのではたまらない。
特に今の麻也には気をつかわせたくない。
その夜は明日のライブに備えて、麻也と諒は食事も部屋でとったが…
宴会もなく、せっかく早く休めると、シャワーを浴びてすぐに諒がパジャマを引っ張り出したところだったのに…
「諒…」
「えっ? 麻也さん?」
(うーん、でも明日ライブなのに大丈夫なのかなあ…)
…でも、うつむいて目をそらしたはにかみ麻也たんは確かに諒の大好物で…
諒はまずベッドの上に座っている麻也をぎゅっと抱きしめた。
伝わってきたのは麻也の体はすっかり痩せ、力もなく、にも関わらず、諒という恋人を求めてきているというよりその行為を求めているらしいということだった。
その時、携帯が鳴った。
麻也のも、諒のも。
二台同時となれば、さすがに二人とも無視できなかった。これはかなりの緊急事態だ。
諒が取り上げて麻也に手渡すと、電話の主はどちらもマネージャーからだった。
―諒さん、明日の朝、私たちが迎えに行くまで部屋から出ないで下さい…
「何があったの、須藤さん?」
―あの…不審者っていうか、困った人が入りこんできたんです。
「はあ?」
―麻也さんには誰か伏せてほしいんですが、例の冬弥くんとあの女優さんです…
諒は電話を握ったまま、固まってしまった。しかし、麻也に感づかれてはいけないと…
…明るい声で答えた。
「うん。わかりました。じゃあ麻也さんといい子にしてる。朝はよろしくね」
と答えたものの、 自分を追いかけ回している人間が麻也とくつろぐ場所に入って来ているなんて…
「諒、どうしよう」
そう言いながらも眠そうな麻也の表情は可愛らしかった。