「麻也さん、せめて私の本当の気持ちだってことははわかってください! ごまかさないで…」
「わかった。でも改めて俺も言うしかなくなる。ごめん、俺の中には諒以外の人間は本当に入る余地はないんだ。」
「わかりました。でも私諦めないから」
「いや、この先、鈴音ちゃんにはふさわしい素敵な人が現れるよ」
麻也にはそう言うことしかできなかった。
そして、
「あまり長くいるとマネージャーさんにも誤解されちゃうから、帰るね。」
「麻也さん、そんな…」
「じゃあ、次会うのはまた現場かな? お互い笑顔で会おうね」
鈴音は泣いていた。でもうなずいて…
しかし、麻也がドアを開け、廊下に出てきても、鈴音は身を乗り出してきて腕を掴んできたのだ。
そして、オートロックのドアが閉まるのも構わず、また抱きついてきた。
誰か通ったらどうするのかと思いながら、麻也は声を立てず、そっと鈴音の腕を振りほどいた。まだ若い鈴音が気の毒になって、笑顔を作ると、その場を去った。
振り返らなかった。
そして、もう鈴音も追ってこなかった。
…幸いにエレベーターはすぐに来た。
誰も乗っていなかったので、乗った途端、ほっとして体のカが抜け、壁にもたれかかってしまった。
しかし、鈴音のつけていた香水、というより、まとった空気のようなものが移っているようで気になって、壁を背にして座り込んでしまった。
このまま諒たちのもとへは戻れないし、2人の部屋でひと休みすることもできない気がした。
(ケンの部屋なら…)
現場スタッフはメンバーたちと別行動だから、ケンは部屋にいるかも、麻也の頭に浮かんだのはそれだけ…
1319室…
ふらふらして、麻也がようやくたどり着くと、出てきたのはケンの部下のボムだけだった。
「ケンは?」
「打ち合わせに出てます」
「ごめん、ケンが帰ってくるまで少し休ませて…」
ボムが何か言っていたが、それにはもう構わず麻也は奥の方のベッドに倒れ込んだ…
しかし、次に目覚めそうになった時…
動けないというか…起きられない…
でも、女の子の声…
ここはどこ…
その頃、メンバー達は麻也がどこにいるのかわからないことで真っ青になっていた。
地元の関係者の手前、密かに捜索していた。
「わかった。でも改めて俺も言うしかなくなる。ごめん、俺の中には諒以外の人間は本当に入る余地はないんだ。」
「わかりました。でも私諦めないから」
「いや、この先、鈴音ちゃんにはふさわしい素敵な人が現れるよ」
麻也にはそう言うことしかできなかった。
そして、
「あまり長くいるとマネージャーさんにも誤解されちゃうから、帰るね。」
「麻也さん、そんな…」
「じゃあ、次会うのはまた現場かな? お互い笑顔で会おうね」
鈴音は泣いていた。でもうなずいて…
しかし、麻也がドアを開け、廊下に出てきても、鈴音は身を乗り出してきて腕を掴んできたのだ。
そして、オートロックのドアが閉まるのも構わず、また抱きついてきた。
誰か通ったらどうするのかと思いながら、麻也は声を立てず、そっと鈴音の腕を振りほどいた。まだ若い鈴音が気の毒になって、笑顔を作ると、その場を去った。
振り返らなかった。
そして、もう鈴音も追ってこなかった。
…幸いにエレベーターはすぐに来た。
誰も乗っていなかったので、乗った途端、ほっとして体のカが抜け、壁にもたれかかってしまった。
しかし、鈴音のつけていた香水、というより、まとった空気のようなものが移っているようで気になって、壁を背にして座り込んでしまった。
このまま諒たちのもとへは戻れないし、2人の部屋でひと休みすることもできない気がした。
(ケンの部屋なら…)
現場スタッフはメンバーたちと別行動だから、ケンは部屋にいるかも、麻也の頭に浮かんだのはそれだけ…
1319室…
ふらふらして、麻也がようやくたどり着くと、出てきたのはケンの部下のボムだけだった。
「ケンは?」
「打ち合わせに出てます」
「ごめん、ケンが帰ってくるまで少し休ませて…」
ボムが何か言っていたが、それにはもう構わず麻也は奥の方のベッドに倒れ込んだ…
しかし、次に目覚めそうになった時…
動けないというか…起きられない…
でも、女の子の声…
ここはどこ…
その頃、メンバー達は麻也がどこにいるのかわからないことで真っ青になっていた。
地元の関係者の手前、密かに捜索していた。