諒は1人でマンションに帰り、疲れ切って、ダブルベッドの方に転がっていた。
自室のベッドでも良かったが、とにかく手足を伸ばしたかったのだ。
(自分のこともできないのに、病気の麻也さんのことまで面倒見るのはもう無理…)
とは言っても、1人ではなんとなく寂しいので、好きなアート系のビデオなどをテレビで見ていた。夕方近くなると、どうにか起きだして、コーヒーなど飲んでいたが…
(なーんにも考えたくないな…もう打ち上げなんか出ない。ホテルも1人の部屋にしてもらおう…)
その時、珍しく家の電話が鳴った。
ここの番号を知っているのは、身内だけだから安心して立ち上がり、ディスプレイを見ると、社長だったので驚いて受話器を取り上げると、
―諒、体調の方はどうだ? 風邪とかひいてないか?
社長の優しさが嬉しくて、
「お陰様で大丈夫です。でも明日の午後の主題は早く切り上げちゃおうかななんて…」
ーああ、それでいいよ、疲れてるんだろう
。それ終わったら、お前もうちに来て泊まったら? 麻也にも会えるし、真知子ちゃんの手料理も…
「いや、すいません、それは…ちょっとやりたい作業もあるので…
曲作りとか…」
麻也の名を聞いて電話を切りそうになったを引き止められた。
あと、ミリオンのお祝いなんだけど、あさってライブの後で。豪華なのはツアーの後に張り込むから。
あー、そんなこともあったっけ…
諒はただありがとうございますとしか言えなかった。
あまりに諒の反応が悪いので、
ーまぁ、取材もあんまり無理しないで。体には気をつけてな。
と電話は終わってしまった。
しかし…
受話器を置いてから気づいた。
あの大事件はどうなったのかと。
「まあ、大したことなかったんで何も言われなかったんだろうな…」
翌日の取材には意外にも須藤ではなく、鈴木が同行してくれた。
「須藤さん体調悪いの?」
自室のベッドでも良かったが、とにかく手足を伸ばしたかったのだ。
(自分のこともできないのに、病気の麻也さんのことまで面倒見るのはもう無理…)
とは言っても、1人ではなんとなく寂しいので、好きなアート系のビデオなどをテレビで見ていた。夕方近くなると、どうにか起きだして、コーヒーなど飲んでいたが…
(なーんにも考えたくないな…もう打ち上げなんか出ない。ホテルも1人の部屋にしてもらおう…)
その時、珍しく家の電話が鳴った。
ここの番号を知っているのは、身内だけだから安心して立ち上がり、ディスプレイを見ると、社長だったので驚いて受話器を取り上げると、
―諒、体調の方はどうだ? 風邪とかひいてないか?
社長の優しさが嬉しくて、
「お陰様で大丈夫です。でも明日の午後の主題は早く切り上げちゃおうかななんて…」
ーああ、それでいいよ、疲れてるんだろう
。それ終わったら、お前もうちに来て泊まったら? 麻也にも会えるし、真知子ちゃんの手料理も…
「いや、すいません、それは…ちょっとやりたい作業もあるので…
曲作りとか…」
麻也の名を聞いて電話を切りそうになったを引き止められた。
あと、ミリオンのお祝いなんだけど、あさってライブの後で。豪華なのはツアーの後に張り込むから。
あー、そんなこともあったっけ…
諒はただありがとうございますとしか言えなかった。
あまりに諒の反応が悪いので、
ーまぁ、取材もあんまり無理しないで。体には気をつけてな。
と電話は終わってしまった。
しかし…
受話器を置いてから気づいた。
あの大事件はどうなったのかと。
「まあ、大したことなかったんで何も言われなかったんだろうな…」
翌日の取材には意外にも須藤ではなく、鈴木が同行してくれた。
「須藤さん体調悪いの?」