「そうですよ、真樹さんや直人さんがこの大事な時に撮られたら…」
「あら、俺はいいの?」
諒がひがむと鈴木は驚き、
「えっ? まさか浮気とか?」
「なんで俺が浮気なんだよ」
「いや、諒さんのヤバいネタはそれくらいしか考え付かないんで、クスリもありえないし」
そこで諒は思った。
「あら、俺はいいの?」
諒がひがむと鈴木は驚き、
「えっ? まさか浮気とか?」
「なんで俺が浮気なんだよ」
「いや、諒さんのヤバいネタはそれくらいしか考え付かないんで、クスリもありえないし」
そこで諒は思った。
(麻也さんが話題にならないのは、やっぱり何もなかったってことなの? 諒くん、また早とちり?)
延々と続く、ジェットコースターのような日々。
麻也への熱い想いとそれに水をさす悪いウワサや女たち。
ありがたくも人気急上昇中のミュージシャンとしての多忙なスケジュール。
…これ、いつまで続くのかな?
(麻也さんの心配さえなくなったら…)
その時、鈴木の携帯が鳴った。
「大丈夫です。遅くなってすみません。今マンションで、諒さんとええ、もう麻也さんの荷物持って帰ります。
えっ、直人さんも? 志帆さん、あー直人さんの…」
相手は須藤なのだろうが、諒が、話の内容に気を揉んでいると、
「社長宅でデートねぇ考えましたね。それじゃあこれから…」
と電話を切られそうになったのに、慌てて諒は電話をひったくると、主は意外にも、真樹だった。
ーあれ、どうしたの諒?
「いや、何だかそっちが楽しそうだから。まさか真樹からの電話とはね~
ー何だよ、いいじゃん、じゃあ諒、おやすみ~
「えっ、何だよ冷たいじゃん、仲良くしてよ
ーだから、明日。
よそでよくあるのと違って、残念ながら、麻也と真樹の兄弟は声も話し方も全く似ていないのだ。
「俺そっち行ってもいい?」
ーなんでだよ
「寂しい」
すると真樹は意地悪そうに
恵理ちゃんも志帆ちゃんももう帰ったけど、俺は兄貴と同じ部屋だから、諒の寝るとこないよ。
ひどいと言い返そうとして、諒はそれをやめた。
麻也が無実らしいと分かって、手のひらを返すような自分も嫌だと瞬時に思ったのだ。
それに麻也に会っても一体どんな顔をすれば…それは明日にも言えることだけど…
ーまぁ、諒もせっかくだから休みなよ。諒子ちゃんもさ、
そう言ってくれる真樹の声は優しくなっていて諒を責めるものではなかったが、やはり声にも疲れがにじみ出ているようで、諒は礼を言って電話を切った。
その次の移動日も麻也はサロンバスのソファーに転がっていた。
付き添って座ってくれていた付き人の後藤が誰かとかわった。
諒だった。
そっと手を握ってくれた。
麻也は何も言わない方がいいような気がして、その手を握り返しただけで、休むために目を閉じた。
延々と続く、ジェットコースターのような日々。
麻也への熱い想いとそれに水をさす悪いウワサや女たち。
ありがたくも人気急上昇中のミュージシャンとしての多忙なスケジュール。
…これ、いつまで続くのかな?
(麻也さんの心配さえなくなったら…)
その時、鈴木の携帯が鳴った。
「大丈夫です。遅くなってすみません。今マンションで、諒さんとええ、もう麻也さんの荷物持って帰ります。
えっ、直人さんも? 志帆さん、あー直人さんの…」
相手は須藤なのだろうが、諒が、話の内容に気を揉んでいると、
「社長宅でデートねぇ考えましたね。それじゃあこれから…」
と電話を切られそうになったのに、慌てて諒は電話をひったくると、主は意外にも、真樹だった。
ーあれ、どうしたの諒?
「いや、何だかそっちが楽しそうだから。まさか真樹からの電話とはね~
ー何だよ、いいじゃん、じゃあ諒、おやすみ~
「えっ、何だよ冷たいじゃん、仲良くしてよ
ーだから、明日。
よそでよくあるのと違って、残念ながら、麻也と真樹の兄弟は声も話し方も全く似ていないのだ。
「俺そっち行ってもいい?」
ーなんでだよ
「寂しい」
すると真樹は意地悪そうに
恵理ちゃんも志帆ちゃんももう帰ったけど、俺は兄貴と同じ部屋だから、諒の寝るとこないよ。
ひどいと言い返そうとして、諒はそれをやめた。
麻也が無実らしいと分かって、手のひらを返すような自分も嫌だと瞬時に思ったのだ。
それに麻也に会っても一体どんな顔をすれば…それは明日にも言えることだけど…
ーまぁ、諒もせっかくだから休みなよ。諒子ちゃんもさ、
そう言ってくれる真樹の声は優しくなっていて諒を責めるものではなかったが、やはり声にも疲れがにじみ出ているようで、諒は礼を言って電話を切った。
その次の移動日も麻也はサロンバスのソファーに転がっていた。
付き添って座ってくれていた付き人の後藤が誰かとかわった。
諒だった。
そっと手を握ってくれた。
麻也は何も言わない方がいいような気がして、その手を握り返しただけで、休むために目を閉じた。