やはり、須藤の先、廊下でびっくりして顔をして立ちすくんでいたのはローディーのケンのアシスタントのボム…
そして、その先には化粧が汗くずれしているとはいえ、いかにも追っかけらしい、ちょっと服の乱れた、派手な20歳ぐらいの女の子2人がいて…
「ちょっとっ!」
須藤の言葉も聞かず、その女の子達は非常階段の方へと必死に走っていく。付き人たちが追ったが、疲れ切っているせいか逃げられてしまった。
しかし、それよりもみんなが驚いたのはボムの後から同室のケンではなく、乱れた髪の麻也がよろよろ出てきたことだった。
サンドベージュ色のパンツのウエストをずり上げながら、白いシャツはややはだけていて…
「ええーっ!」
みんなが混乱していると、エレベーターから誰かが降りてくる気配…
姿をを現したのは、疲れ切ったケン、大きなシステム手帳を抱えたケンだった
「えっ、みなさんどうしたんですか?」
「ケンくん、ボムと一緒にいたんじゃなかったの?」
「いや、打ち合わせが長びいて、今帰ってきたところで…」
疲れきったその様子に嘘があるとは思えなかった。
そうなると当然麻也とボムに視線は集まるわけで…
須藤は厳しく問いただす。
「ボム!これは一体どういうわけだ!女の子はホテルの中に入れるだって言ってあるだろう!」
次は麻也に、
「麻也さん、麻也さんも一体この部屋で何をしていたんですか!」
怒りの矛先が向けられても、麻也は当惑した表情を浮かべるばかりだった。
でも、どういう当惑なのだろう、諒は嫌な予感がして目をそらした。
今の麻也のこと、女の方から何かされたのかも…いや、途中からは、麻也も合意のうえだったかも…
最近では自分にもあまり反応しなかったし…
(女の子の方がいいって戻っていたかもね…)
「本当に何を、いや、何があったんですか麻也さん…」
みんなヘトヘトなのに、更に疲れているはずの年長の須藤が気の毒にも見え、また諒自身も疲れていて、この場をどうにかしたいと投げやりにもなり、ささやかな動きを起こした。
真樹に小声で言ってみたのだ。
「真樹、王子様の荷物持ってくる。そっちで泊めてあげて…」
「いいけど、諒、兄貴は無実だと思うよ、次から部屋はせめてツインにしたら…」
その声を背中で聞きながら諒は自分の部屋に戻ると、クローゼットから麻也のバッグを取り出し、廊下に戻って真樹に突き出した。
そして、その先には化粧が汗くずれしているとはいえ、いかにも追っかけらしい、ちょっと服の乱れた、派手な20歳ぐらいの女の子2人がいて…
「ちょっとっ!」
須藤の言葉も聞かず、その女の子達は非常階段の方へと必死に走っていく。付き人たちが追ったが、疲れ切っているせいか逃げられてしまった。
しかし、それよりもみんなが驚いたのはボムの後から同室のケンではなく、乱れた髪の麻也がよろよろ出てきたことだった。
サンドベージュ色のパンツのウエストをずり上げながら、白いシャツはややはだけていて…
「ええーっ!」
みんなが混乱していると、エレベーターから誰かが降りてくる気配…
姿をを現したのは、疲れ切ったケン、大きなシステム手帳を抱えたケンだった
「えっ、みなさんどうしたんですか?」
「ケンくん、ボムと一緒にいたんじゃなかったの?」
「いや、打ち合わせが長びいて、今帰ってきたところで…」
疲れきったその様子に嘘があるとは思えなかった。
そうなると当然麻也とボムに視線は集まるわけで…
須藤は厳しく問いただす。
「ボム!これは一体どういうわけだ!女の子はホテルの中に入れるだって言ってあるだろう!」
次は麻也に、
「麻也さん、麻也さんも一体この部屋で何をしていたんですか!」
怒りの矛先が向けられても、麻也は当惑した表情を浮かべるばかりだった。
でも、どういう当惑なのだろう、諒は嫌な予感がして目をそらした。
今の麻也のこと、女の方から何かされたのかも…いや、途中からは、麻也も合意のうえだったかも…
最近では自分にもあまり反応しなかったし…
(女の子の方がいいって戻っていたかもね…)
「本当に何を、いや、何があったんですか麻也さん…」
みんなヘトヘトなのに、更に疲れているはずの年長の須藤が気の毒にも見え、また諒自身も疲れていて、この場をどうにかしたいと投げやりにもなり、ささやかな動きを起こした。
真樹に小声で言ってみたのだ。
「真樹、王子様の荷物持ってくる。そっちで泊めてあげて…」
「いいけど、諒、兄貴は無実だと思うよ、次から部屋はせめてツインにしたら…」
その声を背中で聞きながら諒は自分の部屋に戻ると、クローゼットから麻也のバッグを取り出し、廊下に戻って真樹に突き出した。