BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説21-15「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-07-14 20:45:07 | ★ディスティニー21章
 麻也は笑みを作って、
「いいよ、諒も疲れてるでしょ」
 と言うと、諒も内心ほっとした様子で、しかし、
「あれ、麻也たんのマイブーム終わっちゃったの?」
「マイブーム?」
 すると諒は、くすくすと笑いながら麻也の耳元に囁いた
「…激しいえっち…」
 抱き合って2人でクスクスと忍び笑いになり、そのうち大笑いになってしまった。
 
 次の日は移動日だった。
 前日に薬をのんでいた麻也はホテルに着くと、諒に勧められるままベッドに潜り込んで安心して眠ってしまい、諒がこっそり部屋を出て行ったことにも気が付かなかった。
 諒が呼ばれていたのは、偉業を成し遂げたメンバーを激励するために東京からやってきた社長の部屋だった。
 てっきり須藤も一緒かと思ったら1人だけだったので、ちょっと諒は警戒した。
 しかし、それは取り越し苦労のようだった。
「諒、麻也が変なクスリに手を出さないよう、君も気を付けてくれないか」
「はい。でも麻也さんは、もともとそういうの興味持つタイプじゃないし…」
 すると社長は、
「確かにそうだけど、病気がなかなか治んないからさ。さすがの麻也も判断力が鈍るんじゃないかと思って。
諒も知らない謎の薬をいつしかのんでたり…」
 と言いかけて、困ったように社長は口ごもる。
「社長?」
「いやあ、ほら、ああいう時に、合法ドラッグとかいうのを使うとイイとか聞くじゃねえか」
 それを聞いた諒は思わず高笑いして、
「大丈夫です。ワタクシそれ以上の快楽を提供してますから」
それを聞いて社長は吹き出し、
「ずいぶんな自信だなあ。でも、ああいうクスリは、その…相乗効果で、最高のエクスタシーっちゅうものを…」
「ですから俺の愛あるテクニックなら負けませんてば」
「へ、ヘンな器具とかで、空港で引っかかって恥かかないで…」
「大丈夫です。道具は使わず、熟練した職人の手仕事ですから」
「…手仕事って…」
言っている当人の諒もおかしくなって大笑いになってしまった。