諒に肩を貸しながら須藤は尋ねる。
「どこで、でしょうか。」
「都内で見た、っていうヤツもいるし、地方で、っていうヤツもいるよ…って、諒くんも知らなかったの? っていうか、麻也くんとはホントにそういう関係なの? 俺、ああはいってもライブでチューするくらいだから、似た境遇の仲良し関係だと思ってた。」
世間、ってそんなものか…
諒はあらためて自分たちの見られ方を突き付けられた思いだった。
諒の元気のない姿をこれ以上さらしては、と思ったらしい須藤は、
「宮城さん、では早速、帰って確認させていただきます…」
「ああ、忙しいのに悪いけど、頼みます。できたら、娘の名刺も返してほしい。名前は宮城冴香っていうんだ。」
そこへやっと来た宮城のマネージャーと須藤が名刺を交換して四人は別れた。
「何かの間違いですよ、諒さん…」
「…そうかな? だってこんなにいろいろ言われることってある? 」
すると、ベテランらしく須藤はきっぱりと、
「足を引っ張られるのは、売れている証拠です。それに、宮城さんもあの様子じゃ確かな情報筋からじゃないでしょうし。ローベル企画は社長派と専務派でまだもめてるって聞きますし。」
車の中では須藤はこんなことも教えてくれた。
麻也は確かに前のバンドで、ラジオの番組も持っていた。しかし、2週でクビになったという。
「なぜ?」
諒が尋ねると、須藤は苦笑いしながら、
「本人によると、大人の事情ですよ。売れてきた後輩バンドに枠をとられたたらしいです」
「…」
「どこで、でしょうか。」
「都内で見た、っていうヤツもいるし、地方で、っていうヤツもいるよ…って、諒くんも知らなかったの? っていうか、麻也くんとはホントにそういう関係なの? 俺、ああはいってもライブでチューするくらいだから、似た境遇の仲良し関係だと思ってた。」
世間、ってそんなものか…
諒はあらためて自分たちの見られ方を突き付けられた思いだった。
諒の元気のない姿をこれ以上さらしては、と思ったらしい須藤は、
「宮城さん、では早速、帰って確認させていただきます…」
「ああ、忙しいのに悪いけど、頼みます。できたら、娘の名刺も返してほしい。名前は宮城冴香っていうんだ。」
そこへやっと来た宮城のマネージャーと須藤が名刺を交換して四人は別れた。
「何かの間違いですよ、諒さん…」
「…そうかな? だってこんなにいろいろ言われることってある? 」
すると、ベテランらしく須藤はきっぱりと、
「足を引っ張られるのは、売れている証拠です。それに、宮城さんもあの様子じゃ確かな情報筋からじゃないでしょうし。ローベル企画は社長派と専務派でまだもめてるって聞きますし。」
車の中では須藤はこんなことも教えてくれた。
麻也は確かに前のバンドで、ラジオの番組も持っていた。しかし、2週でクビになったという。
「なぜ?」
諒が尋ねると、須藤は苦笑いしながら、
「本人によると、大人の事情ですよ。売れてきた後輩バンドに枠をとられたたらしいです」
「…」