BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説21-16「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-07-15 18:09:17 | ★ディスティニー21章
 今回はこの土地で2daysとなるのだが、この街は麻也を想い過ぎて迫ってくるアイドル・太賀鈴音の出身地なので、諒は実は密かに警戒をしていた。
(社長にはあんなタンカを切ったけど…)
 やっぱり女の子の方が麻也はにはいいのかも、と諒も思うことがない訳ではない。鈴音は論外だけれど…
 (…やっぱり誰だって許せるわけないよな…)
(この前押しかけてきたから本当に冬弥と、あのオバサン女優だけだったのかなあ…)
 麻也はそのことには全く触れてこなかったので、不安な諒はそのまま尋ねてはいなかった。
 空港で、直人にごめんと詫びた時は、お互いさまと言われた。
「直人は誰が押しかけてきたって聞いたの?」
「俺は例の女優さんと冬弥君しか聞いてないけど、どうしたの?」
「いや…」
 すると直人は優しく、
「麻也さん絡みのことは何も聞いてないから大丈夫だよ」
 そして真樹も同じことを言ってくれた…
 
 …そして、諒のその地での心配はすべて杞憂に終わった。
 鈴音は姿を現さなかったし、ライブでも麻也は必死で頑張ってくれて…ホテルのベッドの中でも諒のために頑張ってくれ…た?
 ロックスターの淫らな愛欲の夜?
「ええっ、麻也さん、もう一回ですと?!」
「てへっ♪」
「可愛いから許しますっ!」

 6月に入るとツアーも一層忙しくなっていた。
 今日はまた1日だけの東京、また麻也は神経科の3分間診療だ。