「私も人目につく仕事だし、こういう風な形じゃないと、って…」
確かにそうかもしれないが、広い部屋とはいえ、そう言う鈴音の後ろにはベッドもあるのだ。
「いや、鈴音ちゃん、悪いけど、鈴音ちゃんはまだ若いんだし、もっといい人がいるよ。
俺はこんな仕事してるけど、結局はダサいおじさんにしか過ぎないから、あんまり買いかぶらないで」
するといきなり鈴音の体重がぶつかってきた。
腕が回され、胸に頬をうずめられていた。
「鈴音ちゃん!」
「麻也さん、私、麻也さんのことが好きなんです! 1度でいいから麻也さん、私…」
「だーめ! 離して鈴音ちゃん!」
「いや! 離しません。麻也さん…」
麻也は急に冷静を装って、鈴音の背をぽんぽんと叩いて落ち着かせようとした。
「鈴音ちゃん、俺のこのトシになると後悔が多いよ。特に恋愛はね。俺が本当の恋人の諒に出会ったのは23歳の時だもん。それ以前の女の子の付き合いは本当じゃなかったと思う。それなのに色々なことをしてしまって後悔ばっかりで…」
すると鈴音は必死な形相で、
「うそ ! 麻也さん、本当はさんとは何もないんでしょ? 男同士なんてうそでしょ? 本当は彼女とかいるってことですか? それなら私2番目でも3番目でも…」
麻也は別のことでほっとしていた。
鈴音が自分の事務所の社長と自分の忌まわしい過去を知らないらしいこと…
「本当にごめん、俺には本当に諒だけ。男同士だから籍入ってないだけで、結婚してるのと同じなの。事務所も公認なんだ。」
「そんなこと…」
「本当だよ、嘘だと思ったら諒に訊いてみて。何だったら、うちの社長でもいいよ」
…と言いながら、頭の片隅で、麻也は少し動揺していた。
(…携帯…ない…それに…)
携帯が入っているいつものバッグも、鈴木達に預けっぱなしなのだ。
何よりこんな誤解を招くことをしていないで、早くみんなのところに戻らなきゃ…
麻也は鈴音の身体を振りほどくと両腕を優しく掴んで目を見据えて言った。
「プロデューサーと変な関係だなんて、周りの人に言われたくないでしょ?」
すると鈴音は激しくかぶりを振った。
確かにそうかもしれないが、広い部屋とはいえ、そう言う鈴音の後ろにはベッドもあるのだ。
「いや、鈴音ちゃん、悪いけど、鈴音ちゃんはまだ若いんだし、もっといい人がいるよ。
俺はこんな仕事してるけど、結局はダサいおじさんにしか過ぎないから、あんまり買いかぶらないで」
するといきなり鈴音の体重がぶつかってきた。
腕が回され、胸に頬をうずめられていた。
「鈴音ちゃん!」
「麻也さん、私、麻也さんのことが好きなんです! 1度でいいから麻也さん、私…」
「だーめ! 離して鈴音ちゃん!」
「いや! 離しません。麻也さん…」
麻也は急に冷静を装って、鈴音の背をぽんぽんと叩いて落ち着かせようとした。
「鈴音ちゃん、俺のこのトシになると後悔が多いよ。特に恋愛はね。俺が本当の恋人の諒に出会ったのは23歳の時だもん。それ以前の女の子の付き合いは本当じゃなかったと思う。それなのに色々なことをしてしまって後悔ばっかりで…」
すると鈴音は必死な形相で、
「うそ ! 麻也さん、本当はさんとは何もないんでしょ? 男同士なんてうそでしょ? 本当は彼女とかいるってことですか? それなら私2番目でも3番目でも…」
麻也は別のことでほっとしていた。
鈴音が自分の事務所の社長と自分の忌まわしい過去を知らないらしいこと…
「本当にごめん、俺には本当に諒だけ。男同士だから籍入ってないだけで、結婚してるのと同じなの。事務所も公認なんだ。」
「そんなこと…」
「本当だよ、嘘だと思ったら諒に訊いてみて。何だったら、うちの社長でもいいよ」
…と言いながら、頭の片隅で、麻也は少し動揺していた。
(…携帯…ない…それに…)
携帯が入っているいつものバッグも、鈴木達に預けっぱなしなのだ。
何よりこんな誤解を招くことをしていないで、早くみんなのところに戻らなきゃ…
麻也は鈴音の身体を振りほどくと両腕を優しく掴んで目を見据えて言った。
「プロデューサーと変な関係だなんて、周りの人に言われたくないでしょ?」
すると鈴音は激しくかぶりを振った。