リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

アベノミクスは通貨安政策なのか?

2018-11-06 | 政治
安倍政権は「アベノミクスと異次元緩和が円安・株高をもたらした」と宣伝してきた。
自動車など輸出産業に恩恵が偏る円安が本当に国のためになるのかどうかわからない私だが、朝日新聞2018-11-6を読んで、このような宣伝は、トランプ大統領がさかんに非難する「意図的な通貨安政策」を実施してきたと自認していることになり、日本の財政・金融政策にアメリカが干渉する口実を与えてしまうのではないかとの危惧を覚えた。アメリカのトランプ政権は各国に、自国産業のために意図的に通貨安に誘導するのを禁じる「為替条項」を要求のませているのだ。
だが、記事によればどうやら「アベノミクスと異次元緩和が円安・株高をもたらした」というのは誤りらしい。円高から円安に転じたのは2012年秋、異次元緩和が始まる半年も前のことだったという。データが示す転換点である2012年7月は、欧州中央銀行のドラギ総裁が「ユーロを守るためなら何でもやる」と宣言し、それによりユーロ債務危機が収束して、リスクが減って世界経済も好転したのだそうだ。一方で当時の日本では火力発電用の原油や天然ガスの輸入が増えて大幅な貿易赤字になっており、アベノミクスなどなくても円安になるのは自然な流れだったのだという。白川方明・前日銀総裁の『中央銀行』の解説だそうだ。
国内向けの宣伝のために、外交交渉でみすみす墓穴を掘ることがないよう願いたい。

追記:
日銀の黒田東彦・現総裁は、白川氏の著書への見解を問われて、白川氏の「金融政策だけでデフレは解決できない」との路線に反論する趣旨の発言をしたという(朝日新聞2018-11-20)。




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