リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「芸能人の政治的発言はNG」っていうのは、政府批判の場合だけなのか

2019-07-24 | 政治
沖縄の辺野古埋め立てに反対する署名をタレントのローラさんが呼びかけたとき、「政治的発言をするな」など激しく批判する人々がいて(朝日新聞2019-5-22など)、芸能人の政治的発言の是非が議論になった。俳優の古舘寛治さんは今回の参院選で「(投票に)行かないと政権側の思うツボです」などとツイッターで発信したが、仕事を干される覚悟だという。俳優の石田純一さんが2015年の安全保障関連法案をめぐって国会前の抗議デモに参加したときにもテレビ局の複数の知人から、政治的発言を控えないとテレビで「使いにくくなる」と言われたという。(朝日新聞2019-7-24)だが石田さんが指摘するように、問題になるのは「特に政府に批判的な場合」のようだ。
私も憲法だったか安保法制だったか忘れたが、お笑い芸人(?)がテレビで右翼的な発言をしているのを見たことがあるが、その人が「政治的発言をするな」と批判されるのは聞いたことがない。(今検索したら「最近炎上しやすい」とのコメントもあり、確認中のため名前は出さずにおきます。)

一方、参院選を前に安倍首相はいろいろな芸能人と面会、会食などしたことを積極的に発信していたが、首相の宣伝に利用されることはあまり問題視されていないらしい(上記朝日記事)。この場合、芸能人は具体的な政治的メッセージを発信したわけではないが、結果的に首相に利用され、記事も指摘するように「政見を容認して維持する方向に仕向ける点で極めて政治的」であるにも関わらず、世間では政治的だと認識されていなくて受け入れられている。
ただ、首相との面会等について批判が上がらないのはわかる。そんなことをいえばオリンピックのメダルやノーベル賞など大きな功績を上げるとメディアの前で首相とのツーショットを見せたりすることもあり、それだって首相のほうが選手や研究者の名声にあやかっているのだが、やはり首相から呼ばれたら断りにくいだろう。国民栄誉賞を辞退するなど、それこそ政府批判と同じくらい勇気のいることだと思う。だから、権力者との面会や会食自身はそれほど批判されるべきことではないと思う。批判されるとしたら、選挙前にそのようなことを立て続けに行なって積極的に発信していた安倍首相のほうだ。

芸能人の側からの発信に話を戻すと、やはり政府を批判する発言ばかりが問題視される風潮にはやはり「息苦しさ」を感じずにはいられない。

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追記:役職定年後も政府が気に入れば検察幹部にとどまれるようにする検察の私物化を安倍政権がねらっていることについて、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグをつけた投稿が数日で680万にも上り、多くの有名人もツイートした(朝日新聞2020-5-12)。浅野忠信、綾小路翔、西郷輝彦、杉本大輔、城田優、宮本亜門、小泉今日子、高田延彦、Chara、きゃりーぱみゅぱみゅ、水野良樹、秋元才加、大久保佳代子(敬称略)(後半の名前は朝日新聞2020-5-11より)など、中には私でも知っている名前もある。
だが、きゃりーぱみゅぱみゅの場合、ファンの間で意見が割れて「激論が繰り広げられていて悲しくなり消去させて頂きました」。「政治を勉強してから発言を」「歌手は歌っているだけで良い」といった攻撃も多かったという。識者も言うように「発言内容を批判するのは自由だが、発言の権利は守られるべき」だ。



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