リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

共産党は野党共闘のため「安保廃止」は封印すべき

2017-12-18 | 政治
共産党が党の綱領や歴史について理解を求めるタウンミーティングを始めたという(朝日新聞12月16日).その質疑を見ると,共産党に対してもたれている疑問点は何十年も前から変わっていないようだ.

●中国や旧ソ連を思うと「共産党」は近寄りがたいというのがその最たるものだが,これは私には理解できない.「自由民主党」とか「社民党」など,外国に同じ党名がある政党は他にもあると思うが,目指すところは必ずしも同じではないと思う.そもそも「共産主義」というのは「生産手段の共有」を指す経済学上の用語であって,旧ソ連や中国のような全体主義や独裁政治は別の次元の話であるはず.共産主義でなくても全体主義や独裁政治はあったと思う.記事によると志位委員長は「自由や民主主義は一歩たりとも後退させない.旧ソ連のような人間抑圧型の社会,中国のような一党制は絶対に取らない」と断言しているが,少なくとも共産党が野党でいる間は信じていいだろう.(万一共産党が過半数の議席を手にするようなことがあれば,共産党が独裁政治を行なわないとは私も完全には信じていない.つまり,今の安倍政権と同じくらいの一党独裁政治はするおそれがあるとは思っている.だが,野党の範囲内では勢力を伸ばしてもらっていいと思う.)たぶん「生産手段の共有」も今では目指していないのではないだろうか.古い世代の人には,共産主義は私有財産を否定するから泥棒もOKというような暴論を吐く人もいるようだが,それは論外.(私は日本共産党の綱領は読んでいないが)たぶん今の共産党は個人の私有財産も,市場主義経済も否定していないのではないだろうか.共産党はそのことをもっとアピールするべきだと思う.

●中国や旧ソ連と関連付けられることを心配して「共産党は党名で損をしているから変えてはどうか」というのも昔から言われることだ,志位委員長の答えは党の理念や理想,歴史がつまっているから変えるつもりはないというゼロ回答だが,民主党が民進党に党名変更したあとの惨状を見ると,これは正しい態度だと思う.党名を変えれば,共産党隠しという反共攻撃に糸口を与えることにもなるだろう.

●難しいのは現在の北朝鮮情勢を考えたときに「日米安保条約をなくす立場で本当に大丈夫か」との問いだ.志位委員長は「私たちは決して反米の党ではない.……安保条約に代えて日米友好条約を結ぼうとの提案だ」と回答.かつての「ジャパンアズナンバーワン」のころだったら私も賛同できたかもしれないが,北朝鮮というより中国の強大化を考えると,長期的に日本はアメリカの軍事力に依存せざるを得ない.「日米安保条約をなくす立場」は当面封印すべきだと思う(共産党の綱領がまだそんなことを謳っていたとは知らなかった).では封印はいつまでか.たとえば日本と中国が,同じように第二次大戦を戦ったドイツとフランスくらいの間柄になったら,「日米安保をなくして友好条約に」というのを本気で言ってもいいと思う.だが現状では,「安保廃止」を謳っていれば,いくらソフト路線をアピールしようと,広い支持は集められないだろう.野党共闘を進めるに当たって,共産党のこの立場が障害になったという側面もあったのではないか.
票のために理念を捨てるのはどうかと思うが,「安保」を当面容認しても,安倍政権の強権的な政治姿勢を許さないなど,共産党が真価を発揮すべき場面はいくらでもある.

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