リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

津波に飲まれるとなぜ死ぬのか、どうすれば助かるのか

2021-03-08 | 一般
まもなく東日本大震災から10年。防災についての報道は多いが、実際に津波に飲まれたときにどうすれば助かるのか、あるいはそもそも津波に飲まれるとなぜ死ぬのか、ということはそれほど報道されていないように思う。朝日新聞2021-3-6夕刊によれば、「災害からの生存科学」という分野があるらしいのだが、研究者にとっても人の生死を直接扱うことにはためらいがあったそうだ。
軽々しい興味本位ではなく、私は津波に飲まれるとなぜ死ぬのだろうと思っていた。高波に飲まれて溺死というのならわかる。震災での津波に関係した死因の9割が溺死とされているそうだ。だが、実際に遺体を見た法医学者らによれば実際の状況はさまざまであり、宮城県警が作成したデータベースには140通りの記載があったという。今回の記事では、浸水深さ2.5m以上だと溺死者率が上昇するとあったが、グラフを見るとそれでも15%ほどだ。ほかにはどんな死因があるのだろう。(記事には、「震災死」の内訳は載っているが、津波関連の具体的な内訳がないのが残念。)
漂流物にぶつかって致命傷を受けることなどがあると読んだことがある。今回の記事でも、「がれきにぶつかるなどして死に至った」「頭部・頸部損傷、外傷性ショック」といった死因の解析も今後行なうとあった。
記事ではほかに低体温症が挙げられている。津波で沖合に流されて、溺れずに浮いていられたとしても体温を奪われて…というのはありそうな話だが、これは「ごく少数」だという。(濡れたままでいたため陸上でも低体温症で死亡というケースもあった。)
一方、津波に飲まれたが助かった人の経験談で、何かに必死にしがみついて流されないようにした、という話を複数読んだように記憶している。今回の記事では、津波の中でも浮かび続けて体を防御できれば助かるかもしれないとあるが、浮かんでいたら沖合に流されてしまわないか? 遺体のデータベースの分析もいいが、多数公表されていると思われる生存者の経験談から学べることもあるはずだ。
「何が生死を分けたか、津波に巻き込まれても生き延びるすべはないか」というのはまさに私が10年間疑問に思っていたことだが、管見の限り、このテーマの記事は10年目にして初めて見た。もっと追及してほしい。


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