カジノ法案「訪日客増で景気浮揚」はまやかしだった

自民・公明の両党は今国会でカジノ法案（カジノ設置を可能にする統合型リゾート（IR）実施法案）を成立させようとやっきになっている．安倍首相は「世界中から観光客を集める」とぶちあげているが，それは，よく言っても「絵に描いた餅」であり，おそらくは国民を納得させるためのまやかしだと思われる．
政府は数字に基づく試算は示していないが，誘致自治体の大阪府や北海道はシンガポールのIRでの実績などをもとに，日本人客が大半と見込んでいる．だとすれば，カジノを作っても，それが「訪日客から金をまきあげる」ことで日本の景気を刺激するものではなく，「日本人客から金をまきあげる」ことでカジノ事業者の懐を潤わせるものとなるということだ．
さらにおかしなことに，カジノ事業者が客に金を貸すこともできる．客がとめどなく賭博に金をつぎ込んでくれることがカジノ事業者の利益になることを考えると，これはもう使い過ぎを奨励するようなものではないか．依存症対策をきちっとやる，という政府の言葉さえもまやかしだったと言わざるを得ない．

負けて不幸になる日本人（外国人でもそうだが）が続出することで利益を上げようとするカジノはやはり許せない．

※実は同趣旨のことは先日書いたばかりですが，新聞社説の「IRがねらうのは日本人だということ」がはっきりしてきたとの指摘（朝日新聞2018-6-10）を見て，切り口を変えてアップしました．

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関連リンク：
日本弁護士連合会「カジノ解禁に反対するQ&A」（pdf）