リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「お友達空間」に住む安倍首相は現実社会の批判に目もくれない

2018-07-23 | 政治
国会が事実上閉幕となった.「憲政史上最悪の国会」(朝日新聞2018-7-21)という評価は対立野党である立憲民主党の枝野氏の弁だから割り引いて聞くとしても,やはり安倍1強の横暴が目立った国会だった.森友・加計疑惑では,野党が新たな文書をみつけてきても,安倍首相は調査はおろか,反論さえせず,ただ突き放して時間稼ぎに徹した.「働き方改革」では「労働者からの要望」だとした動機説明がでたらめだったことが明らかになっても押し通した.大型法案の「カジノ法」でも多数の論点を置き去りにして,公明党の選挙の都合で今国会での成立を強行した.野党提案の法案はことごとく審議もせずに廃案となった.
選挙民が議席の多数を与えてしまったが最後,野党や国民の声に対して(歩み寄りとは言わないまでも)理を尽くして議論しようとさえせず,強引に与党の主張ばかりを押し通す安倍政権の悪しきやり方がまたも繰り返されてしまった.

これほどまでに安倍首相や自民党・公明党が強引な態度を取れるのは,ここ数年国政選挙で与党が圧勝を続けてきた実績と,野党がばらばらで近い将来脅威にならないだろうという安心感からだろう.

そして見過ごしてはならないのは,どんなに批判があったとしても安倍政権を支持してくれる「ネトウヨ」ないし「お友達グループ」の存在だ.朝日新聞2018-7-21の「耕論」では三人の論者がみなその点を指摘していた.
一人は,「安倍さんの発言は,潜在的な支持者を動員しよう……とする狙いもあるでしょう.……目の前の野党議員に答弁しているのではなく,メディアを通じ,自分の支持者にアピールしていることもあるでしょう.」という.
もう一人も「ネット上で右翼的な考えを発信する「ネトウヨ」に支えられている面もあります.」という.
もう一人は,安倍首相がツイッターよりもフェイスブックを積極的に使っていることを指摘する.反対派からどんな議論をふっかけられるかわからないツイッターに比べ,フェイスブックでは互いを友達承認しなければならないため,自分への応援メッセージがパーッと並ぶのだという.

「お友達」のコメントの「フィルターバブル」に囲まれていれば,その外でどんなに批判されても関知せずにいられるのだろう.公党の党首ともなれば一定数の批判者はいる.安倍首相でなくてもネット上で批判的なコメントは数多くあるだろう.罵詈雑言をいちいち気にしていたら公職は務まらないだろうということはわかる.だが国会の場での野党の批判に向き合おうとしなかったのは,やはり国を率いる資格はないと言わざるを得ない.

結局,野党の批判も,選挙の票につながるおそれさえなければ,安倍首相にとって取り合う理由はないのだろう.逆に言えば,選挙での批判票につながりそうになれば,首相も対応せざるを得なくなる.現に森友・加計問題で支持率が急落したときには野党への譲歩の姿勢も見せた.だが,その後支持率が下げ止まると再び態度を硬直させてしまった.まじめに論争せずに,突き放して堂々巡りにしておけば,国民が飽きて関心を失ってしまうことも見透かされている.安倍首相や与党の姿勢も問題なのだが,結局は忘れっぽい国民が与党に都合よく利用されている.

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